コラム

日本は戦争で荒廃したイランの後に続くのか

2025年07月16日(水)17時43分
石野シャハラン(異文化コミュニケーションアドバイザー)

だから市民は淡々と日々の生活を送っている。実際、テヘランに住む私の姪は大企業の管理職なのだが、今でもオフィスに出勤しているし、従兄弟はいつもどおり自分の店を開いている。日本の報道に映る、アメリカに死を!と叫ぶ群衆は、国民のごく少数派で、大多数はとても冷静で合理的だ。

都市から郊外への避難は少しあったが、パニックは起こらず、自宅に残ってなるべく普段どおり生活しようとしている人もいる。ミサイルで死傷者も出て、悲しみの底にいる人もいる。それでもイラン人は、これも運命だからジタバタしても仕方ないと思っている。


それに加え、多くの市民は残念ながら現政権から心が離れている。攻撃されているのは現在の政治体制であって、国民である私ではない、といった考えを持っている。国が攻撃を受けることに複雑な気持ちがないわけではないが、それよりも市民にあまり被害が出ず、和平か休戦後の生活が今よりも良くなればよし、というのが本音だ。

世界中の人たちが、政権のトップに近い人たちや革命防衛隊の上層部がピンポイント攻撃で殺害されていることについて、イスラエルの諜報機関のレベルの高さに驚いている。だがそれだけではなく、一般市民に愛国心や忠誠心、国家への関心さえないことがそうした諜報活動を許してしまい、故意ではなくても多様な情報が漏れて、付け入る隙を与え続けているということだ。

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