コラム

突出した知的能力や創造性を持つ「ギフテッド」を埋没させるな

2025年06月28日(土)18時30分
トニー・ラズロ(ジャーナリスト、講師)
ギフテッド

子どもの才能を埋没させないために IMTMPHOTO/SHUTTERSTOCK

<ギフテッドとは突出した知的能力や創造性を持つ性質だが、日本では検査で認められても特別支援教室での対応や加速学習の個別カリキュラムの提供はごく一部にとどまっている>

小学生の保護者である知人から相談された。「うちの子、ギフテッドかも」「なんでそう思う?」「だって、同級生より数段難しい本を好んで読んで、その内容を大人と話したがってる」「へー」「それに、学校の授業が退屈で、自分で先取り学習をする」

ギフテッドとは突出した知的能力や創造性を持つ性質で、そうである者はIQが高かったり(目安は130以上)、特定分野に優れた才能を持ったりする。日本では一般的に、小学生がそうであるかを確かめようと思うと、民間の認知能力検査を受ける。ギフテッドであることが検査で認められても、学校の特別支援教室での対応や加速学習の個別カリキュラムの提供はごく一部。地域によっては特別教育プログラムが用意されている(東京では東京大学先端科学技術研究センターの「LEARN」プロジェクトが有名)。知人の子は検査を受けていない。主な問題は費用の壁だ(検査は数万円かかることがある)。


アメリカで育った私は、小3のときに2つの知的能力検査を学校で経験した(60年代の話だ)。1つは日本人が小6で受ける全国学力テストに匹敵するスタンフォード・ビネーテスト。もう1つはオーティス検査。後者はIQを測る要素も含まれる。テストの結果、先生からギフテッド小学校への転校を勧められた。が、そこでわが家も壁にぶつかった。転校先が遠く、教育費がけっこうかかるから、結局両親はその提案を見送った。検査自体は無料でも、才能開発プログラムの費用が高額だと、経済的余裕のない家庭は次の段階に進めなくなる。

プロフィール

外国人リレーコラム

・石野シャハラン(異文化コミュニケーションアドバイザー)
・西村カリン(ジャーナリスト)
・周 来友(ジャーナリスト・タレント)
・李 娜兀(国際交流コーディネーター・通訳)
・トニー・ラズロ(ジャーナリスト)
・ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使)

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国、アイルランドとの協力強化模索 北京で首脳会談

ビジネス

ノルウェー、新車販売の96%がEVに 他国を大きく

ワールド

マムダニ氏がNY市長就任、物価高対策の実現誓う

ワールド

情報BOX:トランプ米政権がベネズエラ大統領を拘束
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...強さを解放する鍵は「緊張」にあった
  • 2
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 3
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 4
    2026年の節目に問う 「めぐみの母がうらやましい」── …
  • 5
    ベネズエラ攻撃、独裁者拘束、同国を「運営」表明...…
  • 6
    野菜売り場は「必ず入り口付近」のスーパーマーケッ…
  • 7
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 8
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 9
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 10
    「対テロ」を掲げて「政権転覆」へ?――トランプ介入…
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 6
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 7
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 8
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 9
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 10
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story