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川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に──「世界に類を見ない」アリーナシティプロジェクトの魅力

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2026年2月12日(木)11時00分
写真:殿村誠士 文:瀬戸義章
川崎新アリーナのルーフトップパーク

新アリーナの屋上に整備されるルーフトップパークのイメージビジュアル 画像提供:DeNA / 京急電鉄

<横浜スタジアムを「コミュニティボールパーク」へと変革させたDeNAが、京急電鉄と共同で推進する「Kawasaki Arena-City Project」──2030年の開業に向けて整備が進む今が「面白い」理由とは>

スポーツ施設を単なるハコではなく、まちづくりの「触媒」として活用する世界的な潮流がある。

米ロサンゼルスでは、クリプト・ドットコム・アリーナを中心とした複合施設が、荒廃するダウンタウンの再生を牽引し、巨額の経済効果を生み出した。仏リヨンの郊外に建設されたグルパマ・スタジアムには、欧州最大級のストリートアートギャラリーが設置され、イベントの日には町の人口の2倍以上の来場者が訪れる。共通するのは、スポーツ施設によって生まれる「人の流れ」や「コミュニティ」を都市経済の持続可能性につなげるという思想だ。

こうした潮流の最前線を行くプロジェクトが川崎市で始動した。株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)が、京浜急行電鉄株式会社(京急電鉄)と共同で推進する「Kawasaki Arena-City Project」だ。京急川崎駅に隣接する一等地に新アリーナを建設するとともに、周辺地域のまちづくりを一体的に推進する。新アリーナは、2026-27シーズンから開始されるBリーグの新たな最上位カテゴリー「B.LEAGUE PREMIER(Bプレミア)」への参入が決まっている名門プロバスケットボールクラブ、川崎ブレイブサンダースの本拠地となる。

川崎アリーナシティのイメージ

京急川崎駅前から多摩川河川敷にかけて開発・整備されるアリーナシティのイメージ 画像提供:DeNA / 京急電鉄

DeNAと京急電鉄が同プロジェクトで掲げるのは、世界レベルの挑戦の数々だ。

1万人以上を収容するアリーナとしては世界初*となる屋上に設置予定の「ルーフトップパーク」がその一つ。多摩川の壮大な景色を楽しむことができ、試合がない日も「憩いの場」として市民に開放されるため、川崎の新たなランドマークとなることが期待される。

*2026年1月現在。スポーツ、音楽等の大規模興行ができ1万人以上を収容することができる多目的な施設における屋上公園施設の有無のDeNAによる調査結果に基づく

また、「LEED for Communities」の認証取得も目指す。LEED認証は建物の環境性能を評価する国際的なシステムだが、同プロジェクトはアリーナ単体ではなく、街区全体を対象とした認証取得に挑戦する。

そして特筆すべきは、この場所が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」として世界に発信していくにあたり、この上ない立地にあるということだ。国際空港からわずか13分でアクセスできるアリーナは、世界中を見渡してもそうない。さらに、平均年齢が43.7歳と、政令指定都市の中で最も若く、現役世代の多い「これからの都市」であることも魅力だ。

最重要施策「Kawasaki 2050 Model」とは

そもそもなぜ、インターネット企業と鉄道会社が、アリーナ建設を通じたまちづくりプロジェクトにここまで注力するのだろうか──。

実は、京急電鉄にとって川崎は128年前に創業した原点の地だ。川崎大師に向かう参拝客の足として1899年に開通した六郷橋と大師を結ぶ2キロの路線が、同社の事業の第一歩となった。特別な思い入れを持つこの地で、今日までに培ってきた駅直結型都市開発のノウハウをもって同プロジェクトをリードする。

一方、DeNAは、エンターテインメントで人を動かす「ソフト」に長けている。横浜DeNAベイスターズの本拠地である横浜スタジアムを地域に開かれた「コミュニティボールパーク」へと変革させ、試合がない日でも賑わう空間をつくり上げてきた。

Kawasaki Arena-City Projectはこの横浜スタジアムのモデルの延長線上にある。株式会社DeNA川崎ブレイブサンダース取締役会長の元沢伸夫氏は、このプロジェクトを「"エンターテインメント・ドリブン"の新しいまちづくり」と表現する。

DeNA川崎ブレイブサンダース取締役会長の元沢伸夫氏

DeNAスポーツ・スマートシティ事業本部川崎拠点開発室室長 兼 DeNA川崎ブレイブサンダース取締役会長の元沢伸夫氏

「熱気」と「持続可能性」を両立していくためにこのほど打ち出した最重要施策が、「Kawasaki 2050 Model」という社会実装型プラットフォームだ。

気候変動、自然再興、循環経済、個性の躍動、心身の健康──これら5つの重点テーマを設定し、川崎が抱える地球規模の課題を、さまざまなパートナー企業との共創によって解決していくことで、世界における都市の新たなモデルとなることを目指す。参画企業は、川崎のまちを舞台に、自社の技術やサービスを導入・検証できる。その最初のパートナーとして名乗りを上げたのが、味の素株式会社と三菱化工機株式会社だ。

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画像提供:DeNA

人口155万の成長都市の中心が巨大な「社会実装の場」に

これまでにも川崎ブレイブサンダースのSDGsプロジェクト「&ONE(アンドワン)」で、食育や子ども食堂支援などに取り組んできた味の素社長の中村茂雄氏は、今回のパートナーシップ締結の理由をこう語る。

「『Kawasaki 2050 Model』は、味の素のパーパスである『アミノサイエンスで人・社会・地球のWell-beingに貢献する』に、まさに合致するプラットフォームでした」

味の素社長の中村茂雄氏

味の素社長の中村茂雄氏

同社にとって川崎は、うま味調味料「味の素」の量産を開始した発展の礎となった地であり、現在もグループ最大規模の生産拠点や研究所を構える重要な場所だ。今回、味の素はプロジェクトの目玉であるルーフトップパークのエリアネーミングライツ(命名権)を取得した。中村氏はその狙いを次のように明かす。

「ルーフトップパークを起点に、アリーナシティ全体で『食とヘルスケア』の新たな価値を共創していきます。生活者はもちろん、海外からの来訪者にも強くイメージを訴求できると考えています」

単なる認知拡大のための取り組みではない。アリーナという「身体が躍動する」空間に、食と科学を掛け合わせることで、次世代の健康ソリューションを生み出すこと。これは同社にとって、新たな事業価値を創出するための挑戦でもある。

一方、1935年に川崎で創業した産業機械メーカーにしてエンジニアリング企業である三菱化工機社長の田中利一氏は、このアリーナシティを水素エネルギー導入の場として位置づける。

製造から利用までを川崎市内で行う「水素エネルギーの地産地消・地域循環モデル」の確立を目指す同社は、既に、DeNAが運営するカワサキ文化公園に水素吸蔵合金・燃料電池一体型システム「HyDel(ハイデル)」の1号機を設置し、水素利活用の実証実験を開始している。

三菱化工機社長の田中利一氏

三菱化工機社長の田中利一氏

メーカーという枠を超え、市場そのものをデザインしていくために参画を決めたと田中氏は語る。

「我々には、公害防止装置の製造によって事業成長してきた歴史があります。今後は循環型社会の実現に向けて、メーカーとして製品を供給するだけにとどまらず、水素やバイオマスなど新たなエネルギーの需要を創出し、市場を自らデザインして作り出す必要があると考えました。皆さんとともに、川崎発の循環型社会モデルを築き上げていきたいと思います」

開業前の共創に「真の価値」

新パートナーシップ締結発表会

1月29日に行われた新パートナーシップ締結発表会でフォトセッションに応じる登壇者ら。左からDeNA川崎ブレイブサンダース取締役会長の元沢伸夫、DeNA社長の岡村信悟、京浜急行電鉄社長の川俣幸宏、味の素社長の中村茂雄、三菱化工機社長の田中利一、川崎市長の福田紀彦、川崎ブレイブサンダース社長の川崎渉

新アリーナは2030年10月のBリーグ開幕に合わせて開業予定だが、パートナー企業との共創について、「開業前であっても積極的に行っていきたい。開業までのこの数年間は、真に共創の価値がある期間」と元沢氏は力を込める。

「『Kawasaki 2050 Model』はすでにスタートを切っています。社会実証の取り組みを始めると、色々な課題や想定外が出てきます。そういったものを約5年かけてしっかり改善して、必要であればアリーナの設備や運営計画にも反映して、2030年の開業を迎えたいと考えています」

人口約155万人の成長都市のど真ん中にして、羽田空港から13分でアクセスできる巨大なアリーナシティは、自社の技術やアイデアを社会実装する絶好のチャンスだ。慈善活動やボランティアとしてではなく、経済活動を通じて、世界に伝播する未来都市のモデルを創造していく「仲間」をDeNAは求めている。

●問い合わせ先
Kawasaki Arena-City Projectの詳細はこちら
https://kawasaki-arena-city.dena.com/

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