アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が象徴する、フランスで続く日本ブーム

パリのスーパーに並ぶ日本の食材 KARYN NISHIMURA
<日本人には想像できないほど、今のフランスでは日本が人気。多くの人が魅力を感じているのは漫画やアニメだけじゃない>
最近パリに滞在して、知り合いを含め多くのフランス人と話をした。タクシーの運転手や店員など初めて会った人も何人もいるが、みんな熱心に質問をしてくるので会話が長くなる。
私はそんなに魅力的な人間になったのかと、びっくりした(笑)。でも理由は一つしかない。私が約25年前から日本に住んでいると話すからだ。
フランスでは、日本人には想像できないほど日本が人気だ。数年前にはこのブームも「もう終わりそうではないか」と思っていたが、逆にますます強くなっている。
日本の人気は、最初は漫画とアニメから。その後に映画や小説、テレビドキュメンタリーが話題になり、日本に魅力を感じるフランス人がだんだん増えていった。
日本への旅行は観光スポットだけでなく、治安の良い場所に行くという安心感も大きい。さらにこのところの円安のおかげで、金持ちでなくても行けるようになった。
私が特派員をしている公共ラジオ・グループ「ラジオ・フランス」の複数の同僚(主に記者)が最近、家族で来日して観光旅行を楽しんだ。10年前には、彼らは日本に行くことなど全く考えていなかった。
今では日本の魅力が多くのフランス人に届いているが、1970〜80年代は逆のトレンドだった。多くの日本人の間でフランスは人気の国で、フランス人にとって日本は全く関心のない国だった。