顧客の経営課題に寄り添う──「経営のプロ」の視点を持つ「異色」の建築設計事務所
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株式会社プランテックの小山直行代表取締役社長。「建物はあくまで手段。目指すゴールはクライアントの経営課題を解決すること。」と語る
<建築設計に留まらず、コンサル・クリエイティブといった領域をも包含するプロフェッショナル集団・プランテック。小山直行社長に、その躍進を支える経営哲学を聞いた>
「当社は設計を提供するのではなく、企業のアセット、ファシリティに関する課題をお聞きしてそのソリューションを提供しています。設計はその一手法に過ぎません」
こう語るのは、2020年から建築設計事務所・プランテックを率いる小山直行だ。「企業は手段として建築を使っています。建築を使わない企業はありません。しかし経営者は建築知識がないことが普通です。一方で設計者は建物を建てることが目的となったり、顧客ニーズの把握やマーケティング感覚がなかったりすることがあります。これでは最適な解を見出すことは困難です。当社は、経営者と現場の方々との対話を通して、まず人と物のあるべき動きを考え、それに適した空間や運用、システムといった最適な解を見出せる唯一無二の企業だと思っています」
この「プランテック・ウェイ」の根底には、建築業界を皮切りにコンサルティング業界、そして経営において豊富な経験を持つ小山の「異色な」経験や実績が活きている。
経営者と現場の双方と向き合い、ファシリティの課題を解く
「幼い頃からものを作ることに魅了されていた」という小山。彼が、「建築は単なる技術の集合体ではなく、多くの人の協力と調整が必要な複雑なプロジェクトだ」と気づいたのは、大学の建築学科を経て就職した大手ゼネコン時代のことだった。
「プロジェクトには職人、行政、そして地域住民など多くの人が関わります。そのすべてが調和してこそ、建築は完成するのです」。この経験が、後に彼が経営者としての視点を養い、企業再建や成長戦略に携わる際の基盤となった。
もっとも、小山の経営者としてのキャリアは建築業界だけで培ったものではない。ボストンコンサルティングでは事業経営における多様な挑戦を探求し、オートバックスセブンでは専務取締役として経験を重ねた。特に海外での経営経験は、グローバルな視点と多国籍経営の複雑さを学ぶ機会となった。
「この経験は私にとって大きな転機でした。異文化の中での経営判断、また、企業をグローバルに成長させるには何が必要かを深く理解することができました」
そんな小山が心がけているのは、誰にとっても「やさしい会社」を目指すことだ。「企業が成長するには、単に技術を磨くだけでは不十分であり、クライアントのニーズを深く理解し、長期的な関係を築くことが重要だと考えています。『やさしい会社』とは、技術を過信せず、まず相手を理解することから始まります。クライアントが何を求めているのかを理解し、寄り添う『やさしさ』が重要です」
また、ともに働く社員にとっても「やさしい会社」であることが、高いパフォーマンスの発揮には欠かせないと小山は言う。
「『Respect Others』『Be Professional』『Grow Together』の3つをコアバリューに定めて価値観を共有しています。実際、多様なバックグラウンドを持つ社員が自由に意見を出し合い、国際的なプロジェクトで活躍してくれていますね。フラットでオープンな組織文化が、定着率の高さにもつながっていると思います。リモートワークの活用など柔軟な働き方を推奨していますし、当社には定年制度もありませんから、長年培った力を存分に発揮できる面もあります」
長期的な関係性を重視し、「やさしい会社」を目指す
もっとも、「やさしい会社」としての方針は、手がけるプロジェクトにも通底している。サステナビリティの追求もその1つだ。省エネ化や既存建物のリニューアルにより、環境への負荷を最小限に抑える努力を続けてきた。
「周囲に自然に溶け込み、また環境に優しい建物を造ることで、長期的に社会に貢献することを目指しています。既存ビルの改修プロジェクトでもZEB( ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化に注力し、環境に配慮するだけでなく、将来的に発生しうるクライアントの経営課題の解決まで、ワンストップの提案を加速化しています」
建物のライフサイクル全体を考えた設計を前提に、単なるエネルギー効率の向上だけでなく、建物が地域社会に与える影響やその価値創造にも注力しているのだ。
「建物は50年、100年と存在します。その間どのような価値を生むのかをしっかりデザインする必要があります」
そうした取り組みも評価され、今年5月には国際協力機構(JICA)の「JICA-SDGsパートナー」に建築設計事務所として初めて認定された。
小山率いるプランテックの新たなチャレンジを奨励する姿勢は、テクノロジーの活用や海外展開にも見て取れる。例えば効率的な設計を推進するため、バーチャル技術を活用する。「データセンターなど、非常に技術的に高度な分野での設計にも重宝しています。これらは現代において非常に重要なインフラであり、挑戦しがいがあります。AIも組み合わせていきたいですね」
海外展開ではすでにタイやベトナムに現地法人を介して進出している。ベトナムでは、数十年単位で変化するまちづくりを担うプロジェクトにも基本計画から携わっている。「新興国では成長のスピードが速く、我々が持つ技術やノウハウがより大きく発揮される場面が多いんです。新たな市場を開拓できると確信しています」
ここに、今年からはメキシコが新たな進出先に加わった。日本の組織設計事務所として唯一の試みだ。「市場規模や成長性を鑑み決めました。我々が貢献できるニーズは大きいと思いますよ」
100年先も見据えながら、周囲の環境やステークホルダーとの調和をもたらす建築を──。コンサル力やクリエイティブ力をも武器とする「異色」の建築設計事務所は、新たなテクノロジー活用や海外進出といった挑戦と実績を積み重ねていくだろう。
問い合わせ先/株式会社プランテック
https://plantec.co.jp/
info@plantec.co.jp
小山直行(Naoyuki Koyama)
株式会社プランテック代表取締役社長
東京大学建築学科卒業後、鹿島建設入社。ボストンコンサルティンググループを経てオートバックスセブンにて取締役専務執行役員に。18年プランテックグループ社外取締役就任、20年から現職。一橋大学大学院 経営管理研究科 金融戦略・経営財務プログラム修了。