コラム

地中海で見つけた長寿の意外な秘訣/What it takes to(~するために必要なもの)

2017年08月23日(水)11時15分

www.ted.comより

【今週のTED Talk動画】
The Secret to Living Longer May Be Your Social Life
https://www.ted.com/talks/susan_pinker_the_secret_to_living_longer_may...

登壇者:スーザン・ピンカー

100歳以上まで長生きすることは、誰しもが望むことであろう。そのため、それを研究している学者は多く、このTEDトークのスピーカーである心理学者のスーザン・ピンカー氏もその1人だ。

彼女が特に関心を持ったのは、先進国では一般的に女性が男性より長生きすることが知られているにもかかわらず、男性が女性と同程度に長く生きる場所があるということだ。それは地中海にあるサルディーニャ島。100歳を超える人が北米の10倍ほどいるというその場所で、好奇心に駆られたピンカー氏は島民たちを研究した。

まず彼女が発見したのは、サルディーニャの人々の長寿の理由のうち、遺伝子によるものはたった25%だということ。残りの75%は生活習慣による結果だった。その中で最も長生きに関連した生活習慣は"社会的一体性"だったそうだ。

サルディーニャの人々は、毎日のようにたくさんの人と交流し、コミュニケーションを取っている。つまり、彼らは孤独な生活を送っていない。コミュニケーションの多くがインターネットやSNS経由になっている今日、これは大きな教訓だと言えるだろう。

【参考記事】日本人が世界に伝える、長寿の秘訣としての「生きがい十戒」

キーフレーズ解説

What it takes to
~するために必要なもの
(動画3:48より)

何かに必要とされていること、特質、資質、素質や能力を示す際、what it takes toが使われます。要するに、何かの条件を示すために用いられる表現です。この場合のtakeは「~を要する」という意味になります。

このTEDトークで、ピンカー氏がポジティブ思考を持つ102歳の男性と出会ったとき、彼の性格こそがwhat it takes to live to be 100 or beyondなのではないかと思ったそうです。

ここでいくつかこの表現を用いた例を紹介します:

●I don't think that Trump has what it takes to be an effective President.
(トランプは効果的な大統領になるために必要なものを持っていないと思います)

●The test is intended to measure whether students have what it takes to succeed in college.
(その試験の主旨は、学生が大学で成功するための能力を持っているかどうかを測ることです)

●People who succeed are willing to do whatever it takes to make their dreams come true.
(成功する人は自分の夢を実現させるために必要なことを何でもする姿勢を持っています)

【参考記事】老化はもうすぐ「治療できる病気」になる

プロフィール

ロッシェル・カップ

Rochelle Kopp 異文化コミュニケ−ション、グローバル人材育成、そして人事管理を専門とする経営コンサルタント。日本の多国籍企業の海外進出や海外企業の日本拠点をサポートするジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社の創立者兼社長。イェ−ル大学歴史学部卒業、シガゴ大学経営大学院修了(MBA)。『シリコンバレーの英語――スタートアップ天国のしくみ』(IBC出版)、『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』(クロスメディア・パブリッシング)、『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』(アルク)など著書多数。最新刊は『日本企業がシリコンバレーのスピードを身につける方法』(共著、クロスメディア・パブリッシング)。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル一時155円台前半、介入の兆候を

ビジネス

米国株式市場=S&P上昇、好業績に期待 利回り上昇

ワールド

バイデン氏、建設労組の支持獲得 再選へ追い風

ビジネス

米耐久財コア受注、3月は0.2%増 第1四半期の設
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 2

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 3

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」の理由...関係者も見落とした「冷徹な市場のルール」

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 6

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 7

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    コロナ禍と東京五輪を挟んだ6年ぶりの訪問で、「新し…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story