コラム

少女は学校をストライキした──地球を救うために/carry on(続行する)

2019年03月08日(金)10時35分

www.ted.comより

【今週のTED Talk動画】
The disarming case to act right now on climate change
https://www.ted.com/talks/greta_thunberg_the_disarmin...

登壇者:グレタ・サンバーグ

2018年の夏、当時15歳だったスウェーデンのグレタ・サンバーグは、気候変動への対策を求めるために「ストライキ」をして学校を休んだ。彼女のその抗議行動はそれ以後、毎週金曜日に行われている。その後、彼女は注目を集め、世界の有識者が参加するダボス会議での講演に招待された。

2018月11月に行われたこのTEDトークでサンバーグ氏は、そうした活動を続ける理由を説明している。サンバーグ氏は、地球温暖化が科学者の予想する通り本当に私たち人類にとって非常に危険なことなのであれば、なぜ政府などが至急の対策を打たないのだろうか、という疑問を抱き続けているという。

考えてみると、その疑問は全くもって的を射ている。今すぐになんとかしないと、地球の将来は暗いだろう。その将来に生きる若者の代表として、サンバーグ氏のこの主張はとても説得力があるのだ。ぜひこのTEDトークを聞いて、なぜ彼女が有名人になったかを考えてみてほしい。気候変動というテーマをきっと今とは違う視点で捉えられるようになるだろう。

キーフレーズ解説

carry on
続行する
(動画2:47より)

carry onは「続行する」「継続する」あるいは「同じ方向へ進み続ける」ことを意味します。carry(持っていく)をベースにした句動詞で、onは「将来に続く」という意味を持ち、現在の行動を将来においても継続することを示します。

このTEDトークでサンバーグ氏は、気候変動が何よりも重要な課題だと誰もが言っているのに、以前と同じようにcarry onしているだけだと主張しています。carry on という表現は、第2次世界大戦の時の有名なイギリスのポスター「Keep calm and carry on(平静を保ち、普段の生活を続けよ)」でも使われています。

ここでいくつかこの表現を用いた例を紹介します:

●If you carry on spending money like that, you'll go bankrupt!
(そんなふうにお金を使い続けると、破産してしまいますよ!)

●After her husband died, she decided to carry on his charitable work.
(夫が亡くなった後、彼女は彼の慈善事業を続けることを決意しました)

●Despite her diagnosis, she is doing her best to carry on with life as usual.
(病気だと診断されたにもかかわらず、彼女はこれまで通りの生活を続けようと努力しています)

プロフィール

ロッシェル・カップ

Rochelle Kopp 異文化コミュニケ−ション、グローバル人材育成、そして人事管理を専門とする経営コンサルタント。日本の多国籍企業の海外進出や海外企業の日本拠点をサポートするジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社の創立者兼社長。イェ−ル大学歴史学部卒業、シガゴ大学経営大学院修了(MBA)。『シリコンバレーの英語――スタートアップ天国のしくみ』(IBC出版)、『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』(クロスメディア・パブリッシング)、『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』(アルク)など著書多数。最新刊は『日本企業がシリコンバレーのスピードを身につける方法』(共著、クロスメディア・パブリッシング)。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結

ワールド

英、中東に戦闘機を移動 地域の安全保障支援へ=スタ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 2
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 3
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生きる力」が生んだ「現代医学の奇跡」とは?
  • 4
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 5
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 6
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 7
    逃げて!背後に写り込む「捕食者の目」...可愛いウサ…
  • 8
    「結婚は人生の終着点」...欧米にも広がる非婚化の波…
  • 9
    4年間SNSをやめて気づいた「心を失う人」と「回復で…
  • 10
    メーガン妃の「下品なダンス」炎上で「王室イメージ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 7
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 8
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 9
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 10
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story