コラム

新型コロナウイルス、世界は「ドライブスルー検査」活用の流れ

2020年03月23日(月)15時55分

政府は現在1日約6,200件が検査できると発表しているものの、実際の検査件数は1日平均約1,500件に留まっている。公的保険が適用されてからも検査件数は大きく改善されていない。さらに、日本医師会は3月18日、医師が保健所に新型コロナウイルスの感染が疑われる患者の検査を依頼しても断られたケースが、290件もあったことを明らかにした。

このような昨今の状況を見る限りでは、まだ、日本では「検査難民」の問題が解消されていないことが分かる。予防をしたくてもマスクが買えない、検査を受けたくても検査が受けられない、治療薬が欲しくてもまだ治療薬が開発されていない。このままでは国民の焦りと不安は増すばかりである。PCR検査であれ、ドライブスルー検査であれ、どのような検査も完璧ではない。だからといって検査を見送ってはならない。国民が要求するのは大きいものではない。家族の健康を守るための一枚のマスクと希望する時に受けられる検査である。

海外の多様な事例を参考により早く日本で検査が広がり、国民が抱えている不安感が解消されることを強く願うところである。

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プロフィール

金 明中

1970年韓国仁川生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科前期・後期博士課程修了(博士、商学)。独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年からニッセイ基礎研究所。日本女子大学現代女性キャリア研究所客員研究員、日本女子大学人間社会学部・大学院人間社会研究科非常勤講師を兼任。専門分野は労働経済学、社会保障論、日・韓社会政策比較分析。近著に『韓国における社会政策のあり方』(旬報社)がある

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