「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚人コーチ」が説く、正しい筋肉の鍛え方とは?【スクワット編】

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<誰もが鍛えたがる腕や胸。しかし、本当に必要なのは「エレベーターケーブル」のような太ももだった...「脚の力」の真価について>
日本でも定着した「自重トレーニング」。そのきっかけは、2017年に邦訳版が刊行された『プリズナートレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ』(CEメディアハウス)だった...。
元囚人でキャリステニクス研究の第一人者ポール・ウェイドが語る、筋肉について。第6章「ザ・スクワット/The Squat」より一部編集・抜粋。
エレベーターケーブルのような太ももをつくる
強さは上半身に宿る。普通の人はそう考えている。広い肩、厚い胸、太い腕が、大きくて強い男の象徴だ。だれかに筋肉を見せてと頼むと、子どもであっても袖をたくし上げて腕を曲げ、上腕二頭筋(力こぶ)をアピールする。
ズボンを脱いで太ももを曲げ、大腿四頭筋を見せる男とはいまだかつて会ったことがない。
筋肉についてのこの考え方は、ジムに行く平均的な男たちのトレーニング内容にも反映される。ジムのウエイトエリアで何が起こっているか観察してみよう。
そこには、肩、体幹、腕を鍛えたい男たちがひしめき合っている。ベンチプレスをしたいティーンエイジャーが待ち行列をつくり、上腕三頭筋をふくらませたい群れがカールユニットやケーブルステーションを巡回している。
おそらく、ジムで行われている筋力トレーニングの9割は上半身をターゲットにしている。さらにその中の半分が腕を鍛えているとわたしは見ている。熱心に脚をトレーニングするのは少数派だ。