最新記事
運動

「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚人コーチ」が説く、正しい筋肉の鍛え方とは?【スクワット編】

2025年7月5日(土)08時55分
ポール・ウェイド(元囚人・キャリステニクス研究家)

ベニスビーチ(マッスルビーチ)にあるゴールドジムは、世界でもっとも繁盛しているジムのひとつだ。サン・クエンティン(編集部注:州立刑務所)にいた親友が、投獄される前に、そこに足しげく通っていた。

ジムの後ろのほうにスクワットラックがあり、彼は、何年にもわたってそこで脚を鍛えていた。そして、いつ行っても待たずにトレーニングができた。一日の大半、そのエリアは空っぽだった。

世界のどこよりも真剣なボディビルダーやエリートアスリートが集まるベニスビーチのゴールドジムでさえ、だ。ほかのジムの状態は容易に想像がつく。


The Source of Power/パワーの源泉

脚の筋肉を軽視するこういった風潮は完全に遅れている。本物の強さは上半身ではなく、股関節と脚に宿るからだ。跳び上がって脚が地から離れたり、地から脚を持ち上げて座ったりしない限り、上半身のすべての動作は、脚から伝わってくる力に依存する。

もちろん、上半身が独自に生み出す筋力は、多くの運動において重要なものだ。しかし、強力な下半身の上にその筋力を築かなければ、真のパワーが発揮されることはない。

本物のアスリートは、この事実をよく理解している。大きな上腕二頭筋と血管が浮き出る胸肉は確かにクールだ。しかし、極限のパワーとのかかわりは少ない。

古典的なオリンピックのリフティング競技であるクリーン&ジャークを例に考えてみよう。クリーン&ジャークは、頭上にウエイトを保つ体全体のパワーを必要とする究極の動作だ。そして、このリフティングを達成するほとんどのパワーは太ももからくる。

腕によってプレスされるのではない。腕でプレスするには重すぎるからだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、スミソニアン博物館への圧力強化

ビジネス

NY外為市場=ドルまちまち、FRB議長講演に注目

ワールド

米、ウクライナの「安全の保証」調整を支援=ホワイト

ワールド

トランプ氏、米地上軍のウクライナ派遣を否定 空軍通
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 2
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 3
    【クイズ】2028年に完成予定...「世界で最も高いビル」を建設中の国は?
  • 4
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 5
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 6
    広大な駐車場が一面、墓場に...ヨーロッパの山火事、…
  • 7
    時速600キロ、中国の超高速リニアが直面する課題「ト…
  • 8
    【クイズ】沖縄にも生息、人を襲うことも...「最恐の…
  • 9
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 10
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 4
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 5
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 6
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 7
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 8
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 9
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 10
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中