2100年には「寿司」がなくなる?...斎藤佑樹×佐座槙苗と学ぶ「サステナビリティ」 スポーツ界にも危機が迫る!?
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登壇した佐座槙苗さん(左)と斎藤佑樹さん
<サステナビリティってなんだっけ?──Olive LOUNGE渋谷店で開催された対談イベントで元プロ野球選手の斎藤佑樹さんと一般社団法人SWiTCHの佐座槙苗(まな)さんが語り合った>
SMBCグループでは、社会的価値創造の取り組みの一環として、「より良い未来のために踏み出す一歩を応援する」をコンセプトに、三井住友銀行の個人向け店舗「Olive LOUNGE渋谷店」で定期的にイベントを開催している。
第4弾となる今回は、元プロ野球選手の斎藤佑樹さんと、一般社団法人SWiTCH代表理事の佐座槙苗さんによる対談イベントを開催。「なんとなく難しい話」というイメージもある「サステナビリティ(持続可能性)」をテーマに、世界で深刻化する気候変動の影響や対策について、斎藤さんと来場者が佐座さんから楽しく学んでいった。
斎藤佑樹さんは、早稲田実業学校高等部3年時の2006年、エースとして夏の甲子園に出場し全国制覇。「ハンカチ王子」として大フィーバーを巻き起こした。早稲田大学入学後も輝かしい成績を残し、数々の栄冠を獲得。アマチュア球界No.1右腕として2010年ドラフト1位で北海道日本ハムファイターズに入団した。
2021年10月に引退を発表後は、株式会社斎藤佑樹を発表し、現在『野球未来づくり』をビジョンに掲げて、北海道・長沼町に少年少女専用の野球場「はらっぱスタジアム」を手作りで建設したり、全国のスポーツ・教育・保育施設に天然芝を敷く緑化プロジェクトを行ったりと精力的に活動している。
もうひとり、佐座槙苗さんは2021年に一般社団法人SWiTCHを立ち上げ、次世代を担うサステナビリティ・アドバイザーとして持続可能な社会の実現に向けた活動を推進している。
企業や自治体と連携しながら脱炭素、資源の循環や生物多様性の保全と回復に取り組み、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)には、日本政府団の一員として参加し、政策提言を行っている。2023年 Forbes JAPAN 30 UNDER 30に選出され、2024年には日本学術会議連携会員(特任)、2025年にはNHK国際放送番組審議会委員に就任した。
2100年には「寿司」もなくなる?
今回の対談テーマは、「What's "Sustainability" ~サステナビリティってなんだっけ?~」。冒頭、佐座さんが「世界中の人たちが日本人のような暮らしをしたら、地球何個分の資源が必要だと思いますか?」と切り出し、斎藤さんと来場者にクイズを出題した。

斎藤さんは、「日本人はきっと地球のことを考えて生活しているはず......地球0.7個分ですかね?」と回答するも正解は「約2.9個分」。
「3個」という回答が多かった来場者を斎藤さんがたたえると、佐座さんは「日本は水や電気を使いすぎている状況。電気をつけなくても良いときにつけてしまったり......。でも地球って何個ありましたっけ?」と念押し。斎藤さんが「地球は、1個です......」と答えるなどユーモラスなやりとりがあった。
「私たちは『地球1個分の資源』でどうやって生きていくかを毎日の生活のなかで考えていく必要があります」と佐座さんは話す。そして、日本を含むG20が世界の温室効果ガス排出の80%を占めている現状に警鐘を鳴らした。

ただ、そんな佐座さんにも「サステナビリティってなんだ?」と思っていた時期があったという。佐座さんが環境に興味を持ったきっかけは意外にも、映画『もののけ姫』。主人公アシタカの「森とタタラ場、双方生きる道はないのか」という言葉をきっかけに、身の回りに自然が少ないことへの疑問が芽生え、それがいまの道に進むスタート地点になった。
学生時代には、自らお金を貯めてインドネシアの貧しい村で家を造るボランティアを経験した。ここでは、手作りでの球場建設に挑んでいる斎藤さんとも「やってみると面白いですよね」と意気投合。大雨が降れば流されてしまいそうな、手作業で造る家のもろさを実感したことから、貧困の原因そのものを解決したいという想いが強くなったという。
続いて佐座さんが、山火事や洪水など、地球温暖化の影響で世界各地で発生している災害について解説。そんな温暖化の影響は私たちの身近にもあるという。
海水温や海面の上昇によって、2100年には日本で現在親しまれている寿司ネタはすべて食べられなくなる可能性があり、厳しい暑さで2085年には夏季五輪が開催可能な都市は、キルギスとモンゴルの2カ所のみになるという。佐座さんが話す「衝撃の未来」の数々に会場からは驚きの声が上がった。

報道番組でキャスターも務める斎藤さんは「番組で勉強はしていたものの、具体的なデータを見せてもらうと本当に深刻だとわかりますし、僕たちがもっとちゃんと感じて、気を付けていくことが必要ですね」とコメント。
佐座さんは「現状を知って『やばいな』と心のモヤモヤが出てくるのが大事。それが行動を変えるきっかけになります」と話した。
温暖化でスポーツがピンチに
斎藤さんの「もっと頑張らないといけないことはわかったけれど、どこから手を出して良いのか正直わからない」という言葉から、話題は温暖化がスポーツに及ぼす影響に。
国連のグテーレス事務総長が「地球沸騰化」と称する時代。熱中症アラート発令により学校では外遊びが制限され、集中豪雨や線状降水帯によって試合の中止も急増している。
こうした影響が出るなか、国連やFIFA(国際サッカー連盟)、米メジャーリーグをはじめ、国内でもJリーグなどがサステナビリティに関する目標を設定し、アクションを起こし始めているという。

一方、斎藤さんが取り組む事業についても、「すでにサステナビリティに貢献している部分が多い」と佐座さんは言う。
斎藤さんが手がける緑化プロジェクトを通じて植物が増えれば、熱を吸収し、それが熱中症対策につながる。また、地域の子ども達にも参加してもらい手作りで進めている 長沼町の少年少女専用の野球場は地域のコミュニティづくりや環境意識の啓蒙に寄与している。
斎藤さんは「みんなで一緒につくり上げる野球場を意識しています。子どもだけではなく、保護者や地域の方にも参加してもらって、人とのつながりのなかでみんなの心身の健康につながったらいいなと考えています」と熱を込める。
佐座さんは「言うことないくらい素晴らしい!」と返しつつ、「スポーツを通したウェルビーイングの観点や、人と人が繋がることで、特に熱中症や気温の変化に影響されやすい野外スポーツ業界が環境問題に『みんなで』向き合うムーブメントが生まれる可能性もある」と期待を語ると、斎藤さんは「スポーツってやっぱりすばらしいですね。もっともっと広めていきたいです」と笑顔で応えた。
終盤には、地球のためにすぐに始められるアクションを紹介。
「家庭の電気を再生可能エネルギーに切り替える」「植物性の食品などCO₂排出量が比較的少ない食品を積極的に選ぶ」「移動はなるべく電車やバスなどの公共交通機関を選ぶ」などと具体的に示し、佐座さんは「皆さん一人ひとりができることは小さいようで実は大きい。サステナビリティを自分ゴト化して、自分から行動しつつ、周りの人たちも巻き込んでいってほしいです」と呼びかけた。
最後に斎藤さんは、「本当に勉強になりました。プロ野球引退後に自分がやってきたことが地球や社会にとって意味のあることだと認識できて、もっと頑張ろうと思えました。僕だけでなく皆さんも、まずは自分のできることから始めて周りの方に伝えてほしいです。みんなの意識が高まっていけば、地球温暖化に何か寄与できると思いますと語った。
斎藤さんと佐座さんの言葉から"サステナビリティの輪"が広がっていくことを期待したい。
●Olive LOUNGE 渋谷店
2024年5月にオープンした、銀行窓口としての機能を有しながら、カフェやオフィスとして利用できる自由な空間。1階にスターバックスを併設し、2階はフリードリンクやフリースナック、Wi-Fi環境を備えたシェアラウンジとなっている
●問い合わせ先
SMBCグループ
https://www.smfg.co.jp/
Olive LOUNGE渋谷店
https://www.smbc.co.jp/kojin/olive/olivelounge/shibuya/

