コラム

学生時代から政治に興味...安野貴博がいま政治の道を選んだ理由とその勝算 「やりたかったことにテクノロジーが追いついてきた」

2025年08月22日(金)07時50分


anno_profile3.jpg チームみらい党首・参議院議員
安野貴博(あんの・たかひろ)
1990年東京生まれ。開成中学校・高等学校。東京大学工学部システム創成学科卒業。大学時代は松尾豊研究室に所属し、AIや機械学習を学ぶ。ボストン・コンサルティング・グループでの勤務を経て、株式会社BEDORE代表取締役、MNTSQ株式会社共同創業者、東京都政策連携団体の一つである一般財団法人GovTech東京のアドバイザー等を歴任。2024年に都知事選に出馬して注目を集める。25年に政治団体「チームみらい」を立ち上げ、第27回参議院議員通常選挙で全国比例区から初当選した。

 スマホは本会議場でも持ち込みOKと聞きましたが、スマホが良くてPC、タブレットがダメなその線引きはどこにあるんですか。

安野 品位ですよ、品位! でもスマホもね、出したら品位がないらしいので、ポケットの中に入れていて通信機能を切っていれば品位がある。通信機能が入っていると品位がない。

 え? じゃあ、別に何の役にも立たないじゃないですか。それって、理由は何だと思いますか?

安野 色々な人に今後、パソコンがダメな理由を聞かないといけないなと思っているんですけれども、誰かがおっしゃってたのは、キーを打つカタカタ音が品位がないんだと。

 それはちょっと納得というか、分かるかもしれません。

安野 二百何十人が、キーをカタカタさせてるのは良くないのではないかという。まあ、私としては意味は分かるのだけれど、普通の会議ってそうだから(キーの音が鳴っていても)そんなに違和感はないとは思うんですけれど。

でもタブレットはこう(タッチパネルの動作)ですし、今はスマホとタブレットの差もなくなってきているのでどこまでOKなのかなというのはありますね。ただ、通信機能がダメなので、そこの考え方の違いですよね。

これも他の方がおっしゃっていたんですけれど、「通信機能がオンになっていると誰かに操られるんじゃないかという懸念が出てくる」という、そういう理論もあるみたいです。でも、誰かを操る時に、別にその場でリアルタイムに通信する必要はないですよね。逆に(通信ができれば)その場で調べたいこともたくさん出てくるわけです。

会議の質を上げるうえで、どちらにしたほうがよいのだろうと考えると、私は「別に通信くらいはしてもよいのでは」と思いますけれど、今後色々と見ながら考えていきたいと思います。

 若手の議員さんを中心に「やっぱりPC持ち込めないっておかしいよね」というような話にはなっていないのですか。

安野 ちらほらはそういうことおっしゃる方はいらっしゃいます。今回も、(臨時国会で)最初に本会議場248人集まった時に、まずやったのが議長と副議長の選出なんです。投票する時に248人に1人ずつ名前を読み上げて、1人ずつ前のところに行って、1票ずつ入れてくわけですよ。

で、終わったらそれを開票するんですけど、1回30分かかるんですよね。議長と副議長を決める2つだけで1時間かかっていて。もちろん必要なプロセスだと分かりつつ、なんかもう少し短くできるといいのにとは思いますね。

 技術者の血がウズウズするのではないですか?

安野 そうですね。ITでやると、選挙に不正が本当にないのかどうかを検証しきれないという説もあるので、物理的に見えてるから安心なのだというのも理屈としてはあるのですけれど。

ただ一方では、参議院って賛成・反対だったら席に2つボタンが置いてあってピッと押してやったりするので、それが良くて名前を記名する時はダメっていうのは、別にいいんじゃないかなと思ったりもします。ここも色々な理屈があるので、できることを探していく段階かなと思っています。

政党交付金の使い道

 今の話も踏まえて、チームみらいは得票率2%を超えたので政党要件を達成したということで政党交付金が得られます。そのお金を使って、国をどこから変えていきたいというビジョンはありますか。

安野 テクノロジーに対して政党が投資するというのは、他の政党、政治家がまだやってこなかったアプローチです。なので我々はチームみらいとして、ソフトウェアエンジニアチームを永田町に作って、みんなが使えるツール、ソフトウェアをどんどんオープンソースの形、つまり誰でも使えるような形で出していきたいと思ってます。

具体的には2つあります。1つ目が「政治資金の見える化」をするためのプラットフォームやソフトウェアです。今は、民間企業では当たり前にクラウド会計サービスみたいなものを使って会社の中のお金の流れを可視化していますけれど、これと同じことを政治家とか政党もできるはずです。まず自分たちで実践して「できるんだよ」と示したいなと思っています。

プロフィール

茜 灯里

作家・科学ジャーナリスト。青山学院大学客員准教授。博士(理学)・獣医師。東京大学理学部地球惑星物理学科、同農学部獣医学専修卒業、東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士課程修了。朝日新聞記者、大学教員などを経て第24回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞。小説に『馬疫』(2021 年、光文社)、ノンフィクションに『地球にじいろ図鑑』(2023年、化学同人)、ニューズウィーク日本版ウェブの本連載をまとめた『ビジネス教養としての最新科学トピックス』(2023年、集英社インターナショナル)がある。分担執筆に『ニュートリノ』(2003 年、東京大学出版会)、『科学ジャーナリストの手法』(2007 年、化学同人)、『AIとSF2』(2024年、早川書房)など。

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