最新記事
ロシア

前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か

VLADIMIR PUTIN

2026年1月1日(木)10時00分
サム・ポトリッキオ (本誌コラムニスト、ジョージタウン大学教授)
AI-GENERATED IMAGE BY SHUTTERSTOCK AI

AI-GENERATED IMAGE BY SHUTTERSTOCK AI

<ロシアはウクライナで着実に戦線を押し広げ、外交面でもアメリカから一定の「理解」を引き出しつつある。だが、その前進の裏側で、人口流出、技術停滞、そしてAI分野での深刻な後れという構造的問題が国力を蝕んでいる。プーチン大統領は歴史的勝利に近づいているのか、それとも袋小路へ向かっているのか>


▼目次
AI研究者の75%が国外に...若者はますます国外志向に

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2026年最大の勝者となるかもしれないが、絶体絶命の危機に直面する可能性もある。

客観的に分析すれば、今のプーチンは歴史的勝利に近づきつつあり、ピョートル大帝、女帝エカテリーナ、イワン雷帝と肩を並べるという望みを果たそうとしている。ウクライナのドンバス地方征服を着実に進め、その違法な領土奪取を世界唯一の超大国に承認させる可能性すらある。

プーチンの宿願の1つは、EUの結束を破壊することだ。大富豪イーロン・マスクは、「EUは廃止され、主権は各国に返還されるべき。そうすることで各国政府は国民のよりよい代表でいられる」とX(旧ツイッター)に投稿した。プーチンのほくそ笑む姿が想像できる。

J・D・バンス米副大統領は就任後間もなく、ミュンヘン安全保障会議で反EU的な演説を延々と繰り広げ、ヨーロッパ人に衝撃を与えた。この反EU感情は今や米政府の政策戦略として公表されている。米政府は同盟国を支援するより、欧州各国の右派政党を後押しするためにロシアと連携しているように見える。

アメリカは世界中で人権と民主主義を後退させるというプーチンの願望を満たし、ヨーロッパも表立った抵抗姿勢をほとんど見せていない。

ウクライナとの戦闘では、ロシアはゆっくりと、着実に前進を続けている。一方、アメリカの交渉担当特使はプーチンの野望をほぼ丸写しにしたような和平提案を行った。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

台湾、武器供給契約締結期限の延長を米に要請へ

ビジネス

米テスラ、マスク氏の太陽光戦略支える人材を採用

ビジネス

韓国ビッサム、ビットコイン440億ドル相当を顧客に

ワールド

経常収支12月は7288億円の黒字、2025年黒字
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日本をどうしたいのか
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    韓国映画『しあわせな選択』 ニューズウィーク日本…
  • 5
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 6
    背中を制する者が身体を制する...関節と腱を壊さない…
  • 7
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 8
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 9
    心停止の8割は自宅で起きている──ドラマが広める危険…
  • 10
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 10
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中