- HOME
- コラム
- Surviving The Trump Era
- 中曽根時代の日本が「アメリカ・ファースト」のトラン…
中曽根時代の日本が「アメリカ・ファースト」のトランプを作った
中曽根のレーガンとの関係はほとんどの追悼記事で言及されているが、中曽根から学べるもっといい教訓を与えてくれるのは別の米大統領の存在だ。
中曽根は101歳で世を去るまで、主要国の元指導者で最高齢の人物だった。その死のほぼ1年前、アメリカでは歴代最高齢の大統領経験者だったジョージ・ブッシュ(第41代大統領)が94歳で亡くなっている。2人は第二次大戦で戦った同士だが、どちらもかつての敵に寛大な態度で接した。
第二次大戦にパイロットとして従軍したブッシュが世を去ったとき、アメリカの政治状況は政敵とも友情を育む彼の精神とは懸け離れていた。同じように中曽根の死は、比較対象としての過去を振り返るいい機会になる。日本特殊論を堂々と唱え、大国にふさわしい日本の役割拡大に熱心だった故人の精神は、世界における日本のリーダーシップ強化を後押しするはずだ。
中曽根が持っていた日本の将来とリーダーシップに対する絶対的自信は、アメリカが手を引くことで生じた国際社会の空白を日本が埋めるため、真の独立国として立ち上がる助けになるかもしれない。
<2019年12月17日号掲載>
【参考記事】中曽根政権の5年間で日本経済は失われた
【参考記事】トランプ経済が「レーガノミクスの再来」ではない理由

アマゾンに飛びます
12月17日号(12月10日発売)は「進撃のYahoo!」特集。ニュース産業の破壊者か救世主か――。メディアから記事を集めて配信し、無料のニュース帝国をつくり上げた「巨人」Yahoo!の功罪を問う。[PLUS]米メディア業界で今起きていること。
トランプVSマスク「世紀の大喧嘩」がマスク降伏で決着するまでの内幕 2025.06.21
ウクライナ国民はしらけムード、トランプ和平交渉への冷めた本音 2025.05.21
同盟破壊、関税乱発の果てに...米国民は「最高破壊責任者」トランプを支えるのか? 2025.05.01
トランプ版「赤狩り」が始まった――リベラル思想の温床である大学教育を弾圧せよ 2025.03.22