コラム

ベンチャーの成功要因で最も重要なのは、タイミングだった/In denial(~を否定している)

2015年11月25日(水)15時42分

【今週のTED Talk動画】The single biggest reason why startups succeed - Bill Gross https://www.ted.com/talks/bill_gross_the_single_biggest_reason_why_startups_succeed

登壇者:ビル・グロス

 ビル・グロスは12歳で最初の起業をし、太陽エネルギー事業やソフトウェア会社の設立を経て、インキュベーター(ベンチャー企業の育成・支援をする施設)であるIdealabを立ち上げた。このTED Talkでは、彼がアドバイザーとして支援した企業と、その他のベンチャー企業とを分析して発見したベンチャー企業の成功要因について解説している。

 ベンチャー企業にとって不可欠な要素として、グロス氏はアイデア、チーム、ビジネスモデル、資金調達、タイミングの5つを挙げる。そして、その中のどれが最も重要な要素かについて明らかにするのだが、経済を活性化させる鍵としてベンチャー企業が注目されている現在、とても興味深いトピックとなっている。このTED Talkは、比較的短くまとめられており、彼の話し方は明瞭で聴きやすいものとなっている。ちなみに、5つの要素のうちどれが最も重要か、その答えは「タイミング」だそうだ。

キーフレーズ解説

In denial
~を否定している

(動画6:14より)

 In denialは心理学に由来する言葉で、人が現実を否定している(受け入れたくない)状態を示します。その現実は本人が好まないものであるが故に、結果的にそこから目をそらしてしまうのです。無視したり認めなかったりすると、その現実をないもののように扱おうとする作用が働きます。グロス氏はこの表現を使って、自分のビジョンをどうしても実現したいという気持ちから、顧客や市場からの否定的な情報をそのまま受け入れずに否定してしまう傾向にある起業家のことを説明しています。

 使用例をここで紹介します:

●Even though she had weakened significantly and the doctors told her that her condition was incurable, she was in denial about the possibility of dying.
(だいぶ弱ってきていたし、医師からは治療不可能な病気だと言われたのに、彼女は自分が死ぬ可能性を認めたくなかった)

●Even though his girlfriend told him she did not love him, he was in denial and still hoped they would get married.
(ガールフレンドは愛していないと言ったのに、彼はその現実を否定して、彼女と結婚することを望み続けました)

●The company management was in denial about employee dissatisfaction despite the rising turnover rate.
(離職率が増加しているにもかかわらず、会社の幹部は従業員の不満を否定していた)

プロフィール

ロッシェル・カップ

Rochelle Kopp 異文化コミュニケ−ション、グローバル人材育成、そして人事管理を専門とする経営コンサルタント。日本の多国籍企業の海外進出や海外企業の日本拠点をサポートするジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社の創立者兼社長。イェ−ル大学歴史学部卒業、シガゴ大学経営大学院修了(MBA)。『シリコンバレーの英語――スタートアップ天国のしくみ』(IBC出版)、『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』(クロスメディア・パブリッシング)、『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』(アルク)など著書多数。最新刊は『日本企業がシリコンバレーのスピードを身につける方法』(共著、クロスメディア・パブリッシング)。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アドバンテスト、第三者が不正アクセス ランサムウエ

ワールド

米がイラン再攻撃なら深刻な結果、ロシア外相が自制呼

ビジネス

英小売業、「雇用権利法」で労働コスト増大懸念強める

ワールド

対ロ制裁強化へ新たな法案推進、ウクライナ訪問中の米
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポーランドが「核武装」に意欲、NATO諸国も米国の核の傘を信用できず
  • 2
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」の写真がSNSで話題に、見分け方「ABCDEルール」とは?
  • 3
    ウクライナ戦争が180度変えた「軍事戦略」の在り方...勝利のカギは「精密大量攻撃」に
  • 4
    生き返ったワグネルの「影」、NATO内部に浸透か
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 8
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 9
    中道「大敗北」、最大の原因は「高市ブーム」ではな…
  • 10
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 4
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 7
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 8
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 9
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 10
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story