コラム

知られざる「働く女性」のパイオニア/It's just as well that...(~ということが実は良かった)

2015年10月14日(水)17時05分

【今週のTED Talk動画】 Why do ambitious women have flat heads? - Dame Stephanie Shirley https://www.ted.com/talks/dame_stephanie_shirley_why_do_ambitious...

登壇者:デイム・ステファニー・シャーリー

 欧米で女性のほとんどが専業主婦をしていた時代、デイム・ステファニー・シャーリーは全ての社員が女性である会社を設立した。仕事の内容はソフトウェア開発であったし、さらに珍しいことに社員は皆、家で仕事をしていた。1960年代の話である。

 技術中心の職場において女性の活躍をどのように促進すればよいか、そして、仕事と家庭のバランスをどのように保つかが討論されている今からすれば、確かにパイオニア的な会社であった。しかも、この会社は大きな成功を収めたのだ。企業評価は30億ドルに上り、社員のうち70人がミリオネア(百万長者)になった。

 シャーリー氏は聴衆を奮起させるような起業ストーリーを語りながら、自分の人生における難しい局面――ナチスから逃れたこと、息子の自閉症と死、そして男性優越主義との絶え間ない闘い――について、率直かつユーモアたっぷりに語っている。このTED Talkを聞けば、素晴らしい人物を知ることができたと誰もが感じるだろう。

キーフレーズ解説

It's just as well that...
~ということが実は良かった

(動画12:39より)

 It's just as well that...という表現は、ひと目見ただけではあまり良くないように思えるけれど実際は良かった、ということを示すために使われます。ここでシャーリー氏は、起業するのは大変なことなので、It's just as well that I'm a workaholic(自分が仕事中毒だということが実は良かった)と言っています。

 典型的な使用例を紹介します:

●It's just as well that you didn't go--the meeting was cancelled.
(君が行かなかったのは実は良かった――会議はキャンセルになったので)

●It's just as well that I didn't get into Harvard, because I couldn't afford the tuition.
(ハーバードに入れなかったのは、実は結果的には良かったのです。なぜなら、授業料を払えなかったからです)

プロフィール

ロッシェル・カップ

Rochelle Kopp 異文化コミュニケ−ション、グローバル人材育成、そして人事管理を専門とする経営コンサルタント。日本の多国籍企業の海外進出や海外企業の日本拠点をサポートするジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社の創立者兼社長。イェ−ル大学歴史学部卒業、シガゴ大学経営大学院修了(MBA)。『シリコンバレーの英語――スタートアップ天国のしくみ』(IBC出版)、『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』(クロスメディア・パブリッシング)、『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』(アルク)など著書多数。最新刊は『日本企業がシリコンバレーのスピードを身につける方法』(共著、クロスメディア・パブリッシング)。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国特別検察官、尹前大統領の拘束令状請求 職権乱用

ワールド

ダライ・ラマ、「一介の仏教僧」として使命に注力 9

ワールド

台湾鴻海、第2四半期売上高は過去最高 地政学的・為

ワールド

BRICS財務相、IMF改革訴え 途上国の発言力強
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 6
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 7
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 10
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とん…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story