コラム

Rooting around for...(~を探し回る)

2015年09月16日(水)14時32分

【今週のTED Talk動画】 Embracing otherness, embracing myself - Thandie Newton http://www.ted.com/talks/thandie_newton_embracing_otherness...

人気女優が「自分」に悩んだ過去を告白

 タンディ・ニュートンは美しく、女優として成功している。しかし、彼女の成功への道は決して容易なものではなかった。このTED Talkでは、彼女が感情をオープンにして、世界の中で自分の位置を見つける難しさをフランクに語っている。

 彼女の父は白人、母は黒人なので、周りが白人ばかりであった学校では目立ってしまい疎外感を覚えていた。どこへ行っても気持ちは落ち着かず、過食症との闘いもあった。そんな彼女は、自分が夢中になることができた踊りや演技を通して、ようやく自分のぎこちなさを乗り越えられたのだ。このTED Talkでニュートン氏が聴衆にアピールするのは、「人種」という正当性のない概念を乗り越え、ほかの人ともっと関わり合いを持つことにより、皆で地球と一体になって生きてゆこうという夢である。

キーフレーズ解説

Rooting around for...
~を探し回る
(動画3:22より)

 rooting around for... は、何かを探し回るプロセスを示します。重なったものの中をくまなく探って、隠されたものを掘りだそうとする雰囲気を持っています。また、論理的ではなく、場当たり感の強いプロセスといえます。例としては、豚が木の根のまわりを掘ってトリュフを探している姿が連想されるでしょう。

 ニュートン氏は「自己」の定義を探していたプロセスを説明する時に、この表現を利用しています。自分がまわりの人と比べて違うと感じ、自分は誰なのか、自分はどこになじむことができるのか、を見つけるのが簡単ではなかったことを生き生きと示す表現です。これはちょっと詩的な使い方で、普通は物理的なものを探す時に使用します。

 ここで、典型的な使われ方の例を紹介します:

●He's always rooting around for something in his desk drawer.
(彼はいつも机の引き出しの中に何かを探し回っています)

●She spent hours rooting around in the attic trying to find her old prom dress.
(彼女は高校卒業記念パーティーに着て行ったドレスを探すのに、何時間も屋根裏部屋を探し回った)

プロフィール

ロッシェル・カップ

Rochelle Kopp 異文化コミュニケ−ション、グローバル人材育成、そして人事管理を専門とする経営コンサルタント。日本の多国籍企業の海外進出や海外企業の日本拠点をサポートするジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社の創立者兼社長。イェ−ル大学歴史学部卒業、シガゴ大学経営大学院修了(MBA)。『シリコンバレーの英語――スタートアップ天国のしくみ』(IBC出版)、『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』(クロスメディア・パブリッシング)、『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』(アルク)など著書多数。最新刊は『日本企業がシリコンバレーのスピードを身につける方法』(共著、クロスメディア・パブリッシング)。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ポーランド、最後のロシア総領事館閉鎖へ 鉄道爆破関

ビジネス

金融規制緩和、FRBバランスシート縮小につながる可

ワールド

サマーズ氏、オープンAI取締役辞任 エプスタイン元

ワールド

ゼレンスキー氏、トルコ訪問 エルドアン大統領と会談
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、完成した「信じられない」大失敗ヘアにSNS爆笑
  • 4
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 5
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    衛星画像が捉えた中国の「侵攻部隊」
  • 8
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 9
    ホワイトカラー志望への偏りが人手不足をより深刻化…
  • 10
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story