ニュース速報
ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを名誉毀損で提訴、1.4兆円の賠償請求

2025年07月20日(日)08時19分

トランプ米大統領は18日、メディア企業ダウ・ジョーンズ、ニューズ・コーポレーション、ニューズを立ち上げた「メディア王」のルパート・マードック氏、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の記者2人を相手取り、名誉毀損で損害賠償訴訟を起こした。2023年3月、ニューヨークのニューズ・コーポレーション本社で撮影(2025年 ロイター/Chris Helgren)

Nandita Bose Jonathan Stempel

[18日 ロイター] - トランプ米大統領は18日、メディア企業ダウ・ジョーンズ、ニューズ・コーポレーション、ニューズを立ち上げた「メディア王」のルパート・マードック氏、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の記者2人を相手取り、少なくとも100億ドル(約1兆4850億円)の損害賠償を求める訴訟をフロリダ州マイアミの連邦裁判所に提起した。

WSJは17日、故ジェフリー・エプスタイン元被告に宛てた2003年の下品な私信に、トランプ大統領の名前があったと報道。トランプ氏は手紙は「フェイク」で、提訴すると警告していた。

トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」の投稿で「われわれは、虚偽と悪意に満ち、中傷的なフェイクニュースを掲載したWSJという無用の『紙くず』に関与した全ての人々を相手取り、極めて強力な訴訟を起こした」と記した。

エプスタイン元被告を巡る一連の事件は、同氏が政財界の有力者と交友関係を有していた事実を政府が隠蔽していると信じるトランプ氏の支持層の間で、陰謀論を生む要因となった。

ダウ・ジョーンズの広報担当は「当社は報道の正確性と検証過程に絶対の自信を持っており、法廷で断固として争う」との声明を発表した。

訴状では、同文書の存在自体が「捏造」であり、「記事は信頼性を支える情報源や入手経路を一切示しておらず、トランプ氏の評判を傷つけることを意図して公表された」と主張している。

トランプ氏が今回の訴訟で勝訴するには、報道側が「実際の悪意」、つまり虚偽と知りながら、または重大な真偽の確認を怠って報道を行ったことを立証する必要がある。

100億ドルという請求額は、過去の名誉毀損訴訟における最大の和解金額や判決額を大幅に上回る。こういった訴訟に詳しいジェシー・ゲッシン弁護士は「非現実的な金額であり、仮に認められれば米国史上最大の名誉毀損判決となる」と指摘している。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

パレスチナ国家承認、米国民の6割支持=ロイター/イ

ワールド

潜水艦の次世代動力、原子力含め「あらゆる選択肢排除

ビジネス

中国債券市場で外国人の比率低下、保有5カ月連続減 

ワールド

台湾、米国との軍事協力を段階的拡大へ 相互訪問・演
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 5
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    米軍、B-1B爆撃機4機を日本に展開──中国・ロシア・北…
  • 8
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 9
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 10
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 8
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 9
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 10
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中