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NY外為市場=ドル対ユーロで軟調、円は参院選が重し

2025年07月19日(土)06時21分

ニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロで下落した。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 18日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロで下落した。円については引き続き20日投開票の参議院議員選挙が重しになった。トランプ米政権の関税措置で国内の物価圧力が高まる中、米連邦準備理事会(FRB)の政策の行方が引き続き注目されている。

今週発表された主要な米経済指標では、6月の消費者物価指数(CPI)が前月比0.3%上昇、前年比2.7%上昇。6月の卸売物価指数(PPI)は、前月比横ばい、前年比2.3%上昇だった。

パウエルFRB議長は、トランプ政権の関税政策の結果として夏にインフレが上昇すると予想。ただ、全体的な雇用増加数と失業率は比較的堅調を保っているものの、労働市場が弱体化する兆候はすでに見られている。

DRWトレーディング(シカゴ)のストラテジスト、ルー・ブライエン氏は「(トランプ政権が掲げる)関税措置が単なる交渉戦術ではなく現実のものになり、労働市場の実態が明らかになるのを待っている」と言及。「解雇件数はパンデミック前よりも低い水準にあるが、採用件数はかなり悪い状態にある。解雇件数が突然増加すれば、失業率は急速に大幅に上昇する」との見方を示した。

FRBの金融政策を巡っては、ウォラー理事が関税による物価押し上げ圧力は持続的ではない可能性が高いとみられる中、FRBは今月末の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を引き下げるべきとの考えを改めて示したほか、シカゴ地区連銀のグールズビー総裁が、米政策金利が今後12カ月で「かなり」低下する可能性があるという見通しを示した。

金利先物市場では、年末までに0.25%ポイントの幅での利下げが2回実施され、最初の利下げは9月になる公算が高いとの見方が織り込まれている。

終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は98.49と、ほぼ横ばい。ただ、週初からは0.65%上昇した。

ユーロ/ドルは0.22%高の1.1621ドル。週初からは0.59%下落。ユーロはこの日の取引で、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)がトランプ米政権は貿易交渉で欧州連合(EU)とのいかなる合意においても15─20%の最低関税を課す構えと報じたことを受け、上げ幅を縮小した。

ドル/円は0.1%高の148.75円。週初からは0.93%上昇した。20日投開票の参院選で石破茂首相率いる連立与党が過半数を失うリスクがあることが世論調査で示されている。実際に過半数を失えば政策の不確実性が高まり、米国との関税交渉が複雑化する可能性があるとの懸念が円の重しになっている。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.51%安の11万7680ドル。14日には12万3153ドルと、過去最高値を更新していた。

トランプ米大統領はこの日、暗号資産(仮想通貨)ステーブルコイン規制法案「ジーニアス法」に署名し、同法は成立した。

ドル/円 NY終値 148.81/148.85

始値 148.50

高値 148.85

安値 148.19

ユーロ/ドル NY終値 1.1625/1.1627

始値 1.1639

高値 1.1671

安値 1.1618

ロイター
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