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アメリカは今後も国際紛争に介入してくれるか
ロシアは戦後社会の常識を覆し、ウクライナ侵攻に踏み切った。イスラエルとイランの紛争も激化するなど国際紛争のリスクが高まっている状況に加え、アメリカでトランプ政権が誕生したことも大きい。
トランプ政権の主な支持層はアメリカ第一主義を主張しており、国際紛争への介入に否定的な人が多い。今回、トランプ政権はやむを得ずイランへの爆撃を実施したものの、国内には反対の声も大きく、今後もこれまでのようにアメリカが国際紛争に積極的に介入してくれる保証はどこにもない。
トランプ政権は当初からNATOに懐疑的であり、安全保障を確実なものにしたければ欧州各国はもっと軍事費を負担すべきだと強く主張していた。欧州がこの要求をあっさりと受け入れてしまい、GDP比5%という驚くべき数字を出してきた背景には、ロシアに対する脅威に加え、アメリカが今後、国際紛争から手を引くことに対する恐怖感があると考えられる。
これまで欧州は、アメリカにある種の「物言い」ができるという立ち位置を演出してきた。だが、今回、欧州各国が動揺を隠すこともできなかった現実はあまりにも重い。
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