コラム

「欧州のリーダー」として再浮上? イギリスが存在感を取り戻す理由

2025年05月05日(月)10時51分

イギリスは「特別な関係」を活用し、アメリカを古き良き西側同盟に引き戻す役割を果たせるのではという期待もある。ただしドナルド・トランプを前例のない2度目の国賓として招待したのは、露骨な追従だという声も出ている。

だが外交は時に、そのような形を取るものだ。チャールズ英国王は、トランプをスコットランドのバルモラル城に迎える予定。スコットランドはトランプの母親の出身地だ。


それでもイギリスは、トランプ政権に頼れるとは考えていない。特にロシアの脅威に対するトランプの無謀な対応を考えると、その選択はあり得ない。

スターマーは3月にロンドンで欧州の首脳会合を主催して安全保障問題を話し合い、ウクライナ支援を再確認した。国防費の増額も発表している。

いまイギリスに欧州諸国のリーダーとして浮上する可能性が出てきたというのは、何とも不思議な巡り合わせだ。

プロフィール

コリン・ジョイス

フリージャーナリスト。1970年、イギリス生まれ。92年に来日し、神戸と東京で暮らす。ニューズウィーク日本版記者、英デイリー・テレグラフ紙東京支局長を経て、フリーに。日本、ニューヨークでの滞在を経て2010年、16年ぶりに故郷イングランドに帰国。フリーランスのジャーナリストとしてイングランドのエセックスを拠点に活動する。ビールとサッカーをこよなく愛す。著書に『「ニッポン社会」入門――英国人記者の抱腹レポート』(NHK生活人新書)、『新「ニッポン社会」入門--英国人、日本で再び発見する』(三賢社)、『マインド・ザ・ギャップ! 日本とイギリスの〈すきま〉』(NHK出版新書)、『なぜオックスフォードが世界一の大学なのか』(三賢社)など。

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