コービン前英労働党党首、新党結成へ協議 スターマー政権が「改革拒否」と批判

英労働党の前党首で無所属のコービン下院議員は4日、新党結成へ向けた協議を進めていると明らかにした。資料写真、2024年7月(2025年 ロイター/Clodagh Kilcoyne)
[ロンドン 4日 ロイター] - 英労働党の前党首で無所属のコービン下院議員は4日、新党結成へ向けた協議を進めていると明らかにした。スターマー政権が初年度に「国民が期待していた、当然実行されるべき改革を実行することを拒否した」ことが新党旗揚げの理由だと説明した。
コービン氏は、Xへの投稿で「新たな政党の民主的基盤が近く形成される」とした上で、「協議は進行中であり、国民の将来のために闘うに際し、全てのコミュニティーと連携して取り組むことに心を躍らせている」と表明した。
強硬な左派として知られるコービン氏は、労働党党首だった2019年の総選挙で党が歴史的大敗を喫した責任を取って辞任。20年には労働党の党員資格を停止され、その後は同党から除名された。
足下ではスターマー首相の支持率は急低下しており、英国の二大政党制が危うくなっている。そんな状況下でコービン氏の新党結成計画は、労働党の伝統的な左派支持基盤をさらに分断する可能性がある。労働党は現在、支持率で右派ポピュリスト政党「リフォームUK」の後塵を拝している。
調査会社モア・イン・コモンが4日発表した調査結果によると、昨年の総選挙で労働党が勝利した後に残した最大の実績は何かを尋ねる質問への回答は「何もない」が最多となった。同社の調査では、コービン氏が率いる新左派政党が有権者票の10%を獲得し、労働党の得票率は従来の23%から20%へ下がると予想されている。