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「ダサい」「時代遅れ」は過去の話......「親方共産党」に群がる1億の党員たち

©2025 REBEL PEPPER/WANG LIMING FOR NEWSWEEK JAPAN
<かつては「ダサい」「時代遅れ」と見られた中国共産党の党員が大人気で、ついに日本の人口に迫る1億人を超えた。しかし、中国にとって必ずしも喜ばしいことではない>
毎年7月1日は中国共産党の「誕生日」である。今年の7月1日、人民日報は「中国共産党の党員数が1億人を突破した」という祝賀記事を掲載した。党員数が日本の総人口に迫り、まさに地球最大の政党となった「喜大普奔(シータープーペン)」のニュースだ。「喜大普奔」は、「大いに喜んで、皆で走って知らせる」という意味のネット流行語である。
毎年7月1日前後になると、政府は有名俳優を使って「喜大普奔に党を愛する」プロパガンダを展開する。2021年にはジャッキー・チェンが起用され、シンポジウムで「共産党は本当に素晴らしい! 党員の皆さんが羨ましい。私も党員になりたい」と大真面目に語った。今年6月、彼の新作映画は香港で初日から2日間で6万9000香港ドル(約129万円)の興行収入しか上げられなかった。でも、4年前の「喜大普奔に党を愛する」映像は今も中国ネット上で拡散されている。
そして今年の7月、中国の全官製メディアは、92歳のベテラン俳優・游本昌(ヨウ・ペンチャン)が、21ページの申請書を書いて入党を果たしたことを競うようにして報じた。アメリカで音楽を学んだこの老俳優の孫娘は、祖父の入党を祝う革命歌を熱唱した。
今から十数年前、中国は起業ブームの絶頂期で、最も人気のあるのは共産党員でなく経営者だった。ある婚活番組で、参加者の男性が「僕は党員」と自己紹介すると、女性たちは一斉に「興味なし」とランプを消した。その頃、共産党員は「ダサい」「時代遅れ」の代名詞だった。
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