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台湾の中心で「武力統一」を叫ぶ......言論の自由を利用する中国

©2025 REBEL PEPPER/WANG LIMING FOR NEWSWEEK JAPAN
<台湾で「武力統一」を叫んだ大陸出身のインフルエンサーが退去処分になった。言論の自由を保障しない台湾は強権的なのか?>
「陸配(ルーペイ)」とは、台湾人と結婚した中国大陸出身の配偶者を指す台湾の言葉。ネット名「亜亜(ヤヤ)」はその1人だ。彼女は中国版TikTok「抖音(ドウイン)」で「中国による台湾の武力統一にはもはや理由は必要ない」「五星紅旗が台湾中に広がるのが楽しみ」などと発言。台湾当局に居留許可を取り消され、退去命令と5年間の再居留申請不許可処分を受けた。彼女と同じ処分を受けた陸配はほかに2人いる。
陸配が退去処分を受けるのは、台湾では初だ。現在の頼清徳(ライ・チントー)政権は、かつての馬英九(マー・インチウ)政権の融和路線と正反対なのはもちろん、前任者の蔡英文(ツァイ・インウェン)政権より中国大陸に妥協しない姿勢であることがはっきり分かる。
言論の自由を保障しない台湾は強権的なのだろうか?
「中華人民共和国は統一された国家であり、台湾はその不可分な一部である」と中国政府は主張する。2005年制定の反国家分裂法は、台湾独立を推進する行為を厳しく取り締まる。台湾人は中国政府から中国国民と見なされるため、「内部の反逆者」として厳しく処罰されるリスクが高い。
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