コラム

世界でも珍しい「日本の水泳授業」、消滅の危機にあるがなくさないでほしい

2025年08月31日(日)11時05分
周来友(しゅう・らいゆう)(経営者、ジャーナリスト)
学校の屋外プール

MASSY100/SHUTTERSTOCK

<ほとんどの小中学校に屋外プールがある日本。「泳げない人」の多い中国で育った私はずっと羨ましく思っていたが、この「日本の伝統」が転換期を迎えている>

日本が世界に誇る「水泳の授業」が消滅の危機に瀕している。特に子供のいる方は実感しているだろうが、学習指導要領で必修と定められているはずの水泳の授業が今、小中学校からなくなりつつあるのだ。

わが家には4人の息子がおり、来年小学生の末っ子を含め、全員が民間のスイミングスクールで泳ぎ方を教わってきた。その送り迎えをしながら、私は心底羨ましく思ったものだ。


なぜなら、自分が正しい泳ぎ方を教わってこなかったから。私は水郷と呼ばれる浙江省紹興で育ったが、川で水遊びをした記憶くらいしかない。

私の住む新宿区には外国人の住民が多く、公共のプールに行っても外国人の親子が珍しくない。だが大抵の場合、外国人の大人は水に入ってはしゃいでいるだけ。日本の学校に通っている子供は泳げても、親が泳げないケースが多いのだ。一方、日本人の親子は、子供も大人も真剣に泳いでいる人が多い。

中国ではそもそも学校にプールがないことが多く、泳げる人も少ない。「エリート教育の国」の常として、泳げる人は五輪選手を目指すが、学校教育で「みんなが泳げるように」という発想がないのだ。

私の記憶では、公共のスポーツセンターに行っても、そこで泳いでいるのは水泳に人生を懸けたプロばかりだった。

プロフィール

外国人リレーコラム

・石野シャハラン(異文化コミュニケーションアドバイザー)
・西村カリン(ジャーナリスト)
・周 来友(ジャーナリスト・タレント)
・李 娜兀(国際交流コーディネーター・通訳)
・トニー・ラズロ(ジャーナリスト)
・ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使)

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ドイツ、子どものSNS利用制限に機運 連立与党が同

ワールド

29年度の新規国債38兆円に膨張、利払い負担が急増

ワールド

米連邦地裁、奴隷制展示物の復元命令 トランプ氏意向

ワールド

中国の春節人気番組、今年は人型ロボットが主役 新興
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 2
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したスーツドレスの「開放的すぎる」着こなしとは?
  • 3
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワートレーニング」が失速する理由
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 7
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    フロリダのディズニーを敬遠する動きが拡大、なぜ? …
  • 10
    アメリカが警告を発する「チクングニアウイルス」と…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 6
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 7
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 8
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 9
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 10
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story