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今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら呆れるトランプの政策

WHY CHINA WILL PREVAIL

2025年4月17日(木)18時00分
スコット・ケネディ(米戦略国際問題研究所〔CSIS〕上級アドバイザー)
トランプ米大統領は1期目の2019年6月、G20サミットが開かれた大阪で中国の習近平国家主席と会談。貿易戦争をめぐる合意には程遠かった。現在、両国の間で再び首脳会談の調整が始まったと報じられている

トランプ米大統領は1期目の2019年6月、G20サミットが開かれた大阪で中国の習近平国家主席と会談。貿易戦争をめぐる合意には程遠かった。現在、両国の間で再び首脳会談の調整が始まったと報じられている miss.cabulーshutterstock

<アメリカではなく敵国の中国を「再び偉大に」...トランプの政策が中国に回復の糸口を掴ませた?>

ふたを開けてみれば、史上最速で頓挫した革命になるかもしれない。ドナルド・トランプ米大統領が、世界貿易のシステムを個別交渉の2国間協定に置き換える計画の一環として、世界中に「相互関税」を課すと発表してからわずか1週間。実験は事実上、中止された。

一律10%の基本関税は引き続き大部分の国に課され、自動車、鉄鋼、アルミニウムはさらに上乗せされるが、このあたりが上限となり、今後は引き下げられる可能性が高い。


ただし、例外は中国だ。中国には貿易相手国に対する標準的な関税に加えて、トランプ政権1期目に導入されてバイデン前政権でも継続された懲罰的関税、合成麻薬フェンタニル関連商品の20%の関税、4月9日に発表された追加関税を合わせ、しめて145%となる。

この一連の動きは、標的は中国であることを目立たせないための戦略だと、トランプ支持者は主張する。支持者でない人々はこの方向転換を、市場の混乱や企業のショック状態を受けて政策を撤回した米政権がメンツを保つ手段とみるかもしれない。

いずれにせよ、トランプがすぐに、またしても突然の方向転換をしない限り、中国が無傷で切り抜けることは難しそうだ。

だからと言って、中国政府は一方的に譲歩を強いられる交渉には応じないだろう。そして、私が最近訪れた中国やその他の国々では、中国の体制の強靭性と強みについて、やや前向きな再評価が広まっている。

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