最新記事
トランプ

今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら呆れるトランプの政策

WHY CHINA WILL PREVAIL

2025年4月17日(木)18時00分
スコット・ケネディ(米戦略国際問題研究所〔CSIS〕上級アドバイザー)

newsweekjp20250417034510-65ef6fd00eab21d921e74b9df9ca7ac3b031d9c5.jpg

浙江省金華市にある新興EV企業「浙江零跑科技」の工場。世界がトランプ関税に混乱するなか、中国EVは順調に需要を伸ばす HU XIAOFEIーVCGーREUTERS

景気後退のどん底は過ぎた

2022年後半から24年後半にかけて私が訪れたとき、中国はほぼ全ての面で苦闘していた。新型コロナウイルスのパンデミックの最後の数カ月も、まだ多くの都市で厳しいロックダウンが実施され、ゼロコロナ政策が終わった後に起きるはずだった経済回復は瞬く間に失速した。

パンデミックによる不安、住宅市場の崩壊、脆弱な社会保障に加えて、政治的な締め付けが強化され、安全保障が特に重視されるようになったことも、国民感情に悪影響を及ぼした。消費者信頼感の指標は22年初めに急落した後、ほぼ変化はない。


この状況での中国人同士の会話といえば、なぜ指導部は問題の深刻さを認めようとせず、成長を促すために手を打たないのかという疑問ばかりだった。指導部が賢明な統治計画を持たない脆弱なチームであることや、経済より安全保障を優先していることに言及する人もいた。

しかし今年に入ると、中国国内の雰囲気も国外からの見方も、目に見えて明るくなってきた。その一因は国内の動きにある。まず、昨年9月に指導部が深刻な経済危機にあることを公に認め、大規模な経済刺激策を打ち出した。そして、ディープシークが画期的な大規模言語モデルを発表したことは、中国の革新的な研究者が、アメリカ主導の技術制裁に対する次善策を見いだせることを示唆している。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イランの報復攻撃にさらされるイスラエル、観光客4万

ビジネス

レアアース磁石確保に苦慮とフォードCEO=ブルーム

ワールド

カンボジア、タイとの国境紛争で国際司法裁判所に解決

ワールド

米ミネソタ州議員銃撃、容疑者逮捕と報道 標的リスト
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中