最新記事
米中関係

中国との戦争は避けられるか――米国が描く対中抑止と経済デカップリング戦略

Why Trump's War With China is Much Bigger Than Trade

2025年4月14日(月)18時55分
マシュー・トステビン(本誌シニアエディタ―)、ディディ・キルステン・タトロウ(本誌国際問題担当シニアレポーター)
習近平とトランプの表紙を並べた中国のニューススタンド

習近平とトランプの表紙を並べた中国のニューススタンド(2017年、北京) REUTERS/Aly Song

<現在表面化している両国の貿易戦争の根は深く、最終的には戦争で解決するしかない可能性がある>

「アメリカが世界最大の専制国家と政治的に戦わないのであれば、必然的に経済的に、そして最終的には軍事的に戦わなければならなくなるだろう」と、中国の反体制活動家の魏京生(ウエイ・チンション)は2000年に米議会で語った。

ドナルド・トランプ大統領と習近平(シー・チンピン)国家主席による米中貿易戦争という現象は、対立する大国間による世界支配をめぐる大きな争いと、両国が現在、集中的に準備を進めている軍事衝突が起きるというきわめて現実的な可能性を浮き彫りにしている。

「中国とアメリカの対立は単なる貿易戦争ではない。それは21世紀をめぐる戦いだ」と書いたのは、中国通で第一次トランプ政権で要職に就いていたマット・ポッティンジャーとライザ・トビン。「習とトランプは今、世界の覇権をめぐってゼロサム紛争に臨んでいる」と、彼らはネットメディアのフリープレスで主張した。

反体制活動家の魏の発言は、2001年の中国の世界貿易機関(WTO)加盟を前に、米議会公聴会で行われたものだ。WTO加盟は、中国が最大の製造業大国へと成長し、アメリカの主要な戦略的ライバルの地位を獲得する助けとなった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

G7、中東情勢が最重要議題に 緊張緩和求める共同声

ワールド

トランプ氏、イスラエルのハメネイ師殺害計画を却下=

ワールド

イスラエル・イランの衝突激化、市民に死傷者 紛争拡

ワールド

石破首相「双方の利益になるよう最大限努力」、G7で
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中