コラム

強制収容を乗り越え、アメリカを好きになった日系人俳優/Engage in(~に関わる)

2015年12月29日(火)07時30分

【今週のTED Talk動画】 Why I love a country that once betrayed me - George Takei
http://www.ted.com/talks/george_takei_why_i_love_a_country_that_once...

登壇者:ジョージ・タケイ

 日系アメリカ人俳優のジョージ・タケイは、『スタートレック』のテレビシリーズと映画に出演した俳優(ヒカル・スールー役)として有名だ。このTED Talkでは、彼とその家族の第二次世界大戦中の辛い経験を語っている。真珠湾攻撃の後、約12万人の日系アメリカ人が敵と見なされ、強制収容所に収監された。自分の家から追いたてられ、ひどい環境の中に置かれ、財産が没収されたので後に釈放された際にはお金もなく、差別を受けるなど過酷な生活を強いられた。

 このような経験をすればアメリカに対して恨みを持つのが当然と思われるが、タケイ氏はそうではなく、反対にアメリカを好きになっていった。そのきっかけは、父からアメリカの民主主義について学んだこと、そして第二次世界大戦中の日系アメリカ人兵士の英雄的行為について知るようになったことが大きい。このTED Talkではその過程がとてもいきいきと語られている。

キーフレーズ解説

Engage in...
~に関わる

(動画8:57より)

 何かにengage inするというのは、何か(活動など)に関わる、従事する、参加するということ。タケイ氏は、父から学んだアメリカの民主主義について語る際、その一つの重要な側面は民主主義を機能させるためのプロセスにengage inする人々の良心だと指摘しています。

 典型的な使用例を紹介します:

●The teenager engaged in self-destructive behaviors.
(ティーンエイジャーが自己破壊的な行為に関わっています)

●She is engaged in the effort to eradicate smallpox.
(彼女は天然痘を根絶する活動に参加しています)

●He is engaged in a dispute with his neighbor.
(彼は隣家の住人と言い争いをしています)

 このTED Talkの別の場面(動画8:05)では、engageが別の意味で使われています。Engage (someone) in (conversation, debate, etc.) という形で、誰かと会話や議論を始めることを意味します。タケイ氏は父と会話を始めたことを話す時にその表現を利用しています。

 典型的な使用例を紹介します:

●He engaged her in a discussion about Japanese flower arranging.
(彼は日本の生花について彼女と議論を始めました)

●She engaged her husband in a debate about gun control.
(彼女は夫と銃規制に関する討論を始めました)

プロフィール

ロッシェル・カップ

Rochelle Kopp 異文化コミュニケ−ション、グローバル人材育成、そして人事管理を専門とする経営コンサルタント。日本の多国籍企業の海外進出や海外企業の日本拠点をサポートするジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社の創立者兼社長。イェ−ル大学歴史学部卒業、シガゴ大学経営大学院修了(MBA)。『シリコンバレーの英語――スタートアップ天国のしくみ』(IBC出版)、『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』(クロスメディア・パブリッシング)、『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』(アルク)など著書多数。最新刊は『日本企業がシリコンバレーのスピードを身につける方法』(共著、クロスメディア・パブリッシング)。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、イスラエルへの報復ないと示唆 戦火の拡大回

ワールド

「イスラエルとの関連証明されず」とイラン外相、19

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、5週間ぶりに増加=ベー

ビジネス

日銀の利上げ、慎重に進めるべき=IMF日本担当
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 4

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story