コラム

植田日銀の大規模緩和「出口戦略」は成功しているのか?

2024年03月20日(水)11時00分

具体的には、その円高の期間に、多くの若者を英語圏などに留学させる、輸入しなくてはならないエネルギー、資材、原材料などの価格を下げて物価を沈静化させるといった、「円高メリット」を日本経済に注入するのです。

また、円高になれば多国籍企業における「日本国内の生産性」は厳しく問われるようになります。だからといって、これを契機に更に空洞化を進めるのではなく、久々の円高を利用して、後には引けない格好で国内の生産性アップを実現する改革を行う契機にもなるかもしれません。


まだ年度明け以降の動向は分かりませんが、ソフトランディングということでは、今回の「異次元緩和の出口戦略」は成功しているように見えます。ですが、それでも円が上がらない中で、今後も中長期的な円安トレンドが延々と続くのであれば、格差は広がっていくだけです。つまり、日本経済は、グローバル経済とリンクした部分と、純粋に国内向けの部分に、よりシャープに分かれていくということです。

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プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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