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さらに複雑化したニューヨーク市長選の対立構図

ニューヨーク州のクオモ元知事は、自分を陥れた民主党左派への「怨念」に突き動かされている Kylie Cooper-REUTERS
<民主党、共和党の公認候補に加えて、民主党の現職市長と元知事が無所属で出馬予定>
2028年の大統領選、その前の2026年の中間選挙の前哨戦と位置付けられているのが、今年11月に行われるニューヨーク市長選です。基本的にニューヨーク市は民主党の基礎票が過半数を占めており、通常の選挙であれば民主党の候補がそのまま本選でも勝つ可能性が高いとされています。
その予備選は既に6月24日に終わって結果が出ています。党内最左派のゾルダン・マムダニ候補が勝利しており、市内のバス無料化、託児所の無償化、市内の食品スーパーの公営化など、「社会主義的政策」を掲げて本選に向かう構えで、その極端な政策は話題になっています。
ところが、この11月に行われる市長選の本選の構図はそう単純ではありません。マムダニ候補の存在だけでも、十分に話題性がありますが、他にも独特の立ち位置から多くの有力候補が出馬の構えを見せているからです。
まず、現職のエリック・アダムス市長は無所属で出馬する意向です。アダムス市長は、バイデン政権時代に南部保守州が送り込んでくる移民(法的には難民申請者)を大量に受け入れました。ですが、バイデン政権はその苦労を称えるどころか、民主党のイメージを低下させたと言わんばかりの姿勢で冷淡に扱ったのでした。
アダムス市長を見捨てた民主党
それどころか、バイデン政権の司法当局はアダムス氏がトルコの総領事館から接待を受けたとして、市長を起訴したのです。最終的にアダムス氏は、自分を不起訴とする条件で、トランプ政権の「不法移民摘発」に協力するという「ディール」に合意しました。民主党はこれを裏切りだとして、次回の市長選の予備選に出馬する権利を剥奪しました。その結果、アダムス氏は無所属で出るというのです。
一方で、共和党は有力候補が少ない中で、予備選では前回の本選でアダムス氏に負けているカーティス・スワリ候補がすんなり候補に決まりました。市内の治安を守る自警団組織を長年運営し、銃を持たない丸腰での自警活動で評価されているユニークな人物です。では、共和党は一枚岩かというと、このスワリ候補は「筋金入りのトランプ嫌い」で有名なのです。
さすがに現在はトランプ批判を控えているものの、トランプ第一期政権の際には、共和党から脱退していただけでなく、地元のFMラジオで「アンチ・トランプ」のメッセージを出し続けていたのは有名です。ですが、他に有力な候補がいない中で、最も集票ができそうなのはスワリ氏ということで、今回も統一候補になったのでした。
そこへ、7月15日になって、一度は民主党の予備選でマムダニ氏に大差で敗北したアンドルー・クオモ元ニューヨーク州知事が、改めて無所属で市長選に出馬すると表明したのでした。
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