- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- グローバルな時代だからこそ、古文・漢文は大事
グローバルな時代だからこそ、古文・漢文は大事

ビジネスシーンで関係性を作るために…… kazumi seki
<ビジネスシーンで信頼関係を築くうえで古典の教養は大きな武器になる>
古文漢文を必修科目から外すべきという議論があります。グローバル化する現代においては、人生で使うことはないというのが理由のようですが、私は違うと思います。
最初にお断りしておきますが、古文漢文を現在のような大学入試のペーパーテストで扱うのは廃止すべきです。日常言語としては死文化したテキストを、暗記した語彙と文法を使って「暗号解読」するという中進国型のスキルは、現代社会では不要だからです。
その一方で、古文、つまり古代から近世にかけて、そして明治初期にかけてのテキストに親しむこと、そして漢文、つまり中国の古典を日本式の訓読みを通じて理解すること、そうした学習そのものは「グローバル化の時代だからこそ」必要であると思うのです。
まず、古文ですが、これはグローバルな世界で人脈を拡大する上で、日本人にとっては必須アイテムです。そのことは、立場を置き換えてみれば簡単に理解できることです。例えば、日本の企業を代表して英国企業と大事な交渉をする場合に、相手との間で親近感を作る手段として、シェイクスピアとかオースティンを話題にするということは比較的成功率が高いと思います。
日本式IKIGAIがブームに
建造物や音楽などのアート系の雑学を使っての「自分は親英家だというアピール」もいいですが、何といっても文学というのは、「ブツが不要」だし、「翻訳で親しんだ知識でも通用する」「シェイクスピアならまず高学歴な英国企業代表なら知らないことはない」という感覚は納得できると思います。歴史、政治、スポーツなどの話題と違って、安全でもあります。
これを裏返すと、英国企業の代表が日本に乗り込んできて日本文学の話題、特に古典文学の知識を「関係性の突破口」に使ってくる、特に「自分は親日家」というアピールで攻めてくることは容易に想像できます。その場合のシェイクスピアに当たるのが紫式部の『源氏物語』だったりします。
そして、現在は英語圏全般で「日本式の生きがい(IKIGAI)論」というのがブームになっており、その延長で鴨長明の『方丈記』や小林一茶、良寛などの人生観も、ポピュラーになっています。ビジネスのシーンで、彼等はどうしてそういう話題を選ぶのかというと、もちろん個人的な信頼関係を作って長期的な人脈にしたいからです。
ところが、そこで日本人の側が「自分は良く知らない」とか「日本人でも理系だとまず知らないので、ご存知のあなたは偉い」などと持ち上げても、相手は全く喜びません。失望と落胆を覚えるだけです。そうなれば、折角のビジネスチャンスが逃げて行くかもしれません。
日本の次期首相に絶対的に必要なのは「円を守り抜く信念」 2025.10.15
いよいよ現実のものになった、AIが人間の雇用を奪う時代 2025.10.08
AI就職氷河期が米Z世代を直撃している 2025.10.01
クールジャパン戦略は破綻したのか 2025.09.24
日本の新政権が向き合うべき、安全保障の「ねじれ」というアキレス腱 2025.09.17
「物価高対策と財政規律の間の最適解」──ポスト石破に求められる最重要課題 2025.09.10
アメリカのストーカー対策、日本との違いを考える 2025.09.03
-
人事マネージャー候補/外資系大手オンラインメディア企業
株式会社クリーク・アンド・リバー社
- 東京都
- 年収750万円~950万円
- 正社員
-
生成AI商材/大手外資系「インサイドセールス「SV候補」」/その他コンサルティング系
ブリッジインターナショナル株式会社
- 東京都
- 年収340万円~450万円
- 正社員
-
経理 外資企業向けアウトソーサー
株式会社ビーピーエムアソシエイツ
- 東京都
- 年収800万円~1,000万円
- 正社員
-
プロダクトエンジニア「ポテンシャル採用/大手や外資系など3000社に導入/HR SaaS「ミキワメ」/港区/web系SE・PG/東京都
株式会社リーディングマーク
- 東京都
- 年収400万円~550万円
- 正社員