最新記事
イラク

産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入する切実な理由

2025年8月10日(日)12時05分
太陽光パネルを設置した農場

猛暑が続くイラク。小麦農家のアブダラ・アル・アリさんは、頻繁に停電するにもかかわらず高額な電力料金の支払いにうんざりして、灌漑(かんがい)システムを稼働させるために太陽光発電パネルの利用に切り替えた農家の1人だ。写真は太陽光パネルを設置した農場。7月30日、モスルで撮影(2025年 ロイター/Khalid Al-Mousily)

猛暑が続くイラク。小麦農家のアブダラ・アル・アリさんは、頻繁に停電するにもかかわらず高額な電力料金の支払いにうんざりして、灌漑(かんがい)システムを稼働させるために太陽光発電パネルの利用に切り替えた農家の1人だ。

イラクは石油輸出国機構(OPEC)の加盟国で世界有数の産油国であるにもかかわらず、米国が主導したイラク戦争でフセイン政権が2003年に崩壊して以来、国民にエネルギーを安定供給するのに苦しんできた。

フセイン政権の崩壊後に続く混乱で、国営の電力網は投資不足と設備の管理不備のため需要に対応できない状態に陥っている。

ロイターの記者が北部の農業地帯ニネベ県のモスルで目撃した状況によると、夏は気温が40度を超える日もあるのに、電力が供給される時間は1日のうちわずか半分程度にとどまる。

アル・アリさんは毎月の電気料金はかつて約100万イラクディナール(11万円)だった。太陽光発電を導入してからは、国営の電力網に対する支払いが8万イラクディナールに減り電力供給も安定したと述べた。「農家は電気料金を減らして灌漑用ポンプの負荷を軽くするために太陽光発電に切り替えている。この電力は安定している」と語った。

イラクは石油資源に恵まれているだけでなく太陽光発電の潜在力も大きい。政府当局は供給と需要のギャップを埋め、同時に二酸化炭素の排出量を削減するために太陽光発電を活用すると述べている。

ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

スイス・スキーリゾートのバーで爆発、約40人死亡・

ワールド

台湾総統「26年は重要な年」、主権断固守り防衛力強

ワールド

再送トランプ氏、シカゴやLAなどから州兵撤退表明 

ビジネス

ビットコイン、2022年以来の年間下落 最高値更新
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 2
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 5
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 8
    「断食」が細胞を救う...ファスティングの最大効果と…
  • 9
    日本人の「休むと迷惑」という罪悪感は、義務教育が…
  • 10
    【現地発レポート】米株市場は「個人投資家の黄金時…
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中