(記事前半を読む:「金儲け」「何やってるんだ!」 パンチくん人気の動植物園、心ない声も…激動の4カ月「拡散力の怖さ知った」

空前の「パンチくんブーム」に沸く市川市動植物園は、来年で開園40周年の節目を迎える。その歴史の始まりは、中国からやってきたレッサーパンダだった。地域に根ざしたレトロで“クラシック”な公立動物園として歩んできた同園だが、今その在り方と展示の工夫があらためて問われている。

旭山動物園も参考に

「本来の動物園とは、『人間が動物を見に来てやっている』場所ではなく、動物たちが野生に近い行動をしている営みを、『人間が横から覗かせてもらう』施設であるべき」。そう力を込めるのは市動植物園課の安永崇課長。目指すのは、行動展示で一世を風靡した旭山動物園(北海道)のような、動物たちの本来の姿を伝える施設だ。昨今叫ばれる「アニマルウェルフェア(動物福祉)」の観点からも、ただ檻の中に動物を閉じ込めておくだけの旧態依然とした展示からの脱却が長年の課題とされる。

しかし、同園は市営の施設であり、財政的に構造上の課題も抱える。「公立動物園には、単独で黒字に持っていくという発想がそもそも少ない。住民への憩いの場の提供や教育機会という『公共サービス』だからこそ、税金で支えられている。(市川市の)お隣、浦安市にあるディズニーランドのように『儲かったから隣に新しいゾーンを作る』というような増殖の仕方は難しいのが現実」と安永さんは吐露する。

流しカワウソにアルパカダッシュ

市川市動植物園は1987年8月21日、市川市大町の大町自然観察園に隣接する形で開園した。開園に際し、中国の四川省楽山市から友好都市締結を記念して贈られたレッサーパンダの「海海(ハイハイ)」が初代シンボルとして大きな話題を呼んだ。

開園後は市民の憩いの場や教育の機会を提供する公共施設として親しまれ、1992年には観賞植物園を開園。さらに1997年にはミニ鉄道の運行を開始するなど、時代とともに施設やアトラクションの拡充を重ねてきた。生の始まりと終わりが交わる場所として、命のバトンを繋ぎ続けている。

限られた予算と老朽化する設備の中、力を注ぐのが「見せ方の工夫」だ。同じ動物であっても、展示のアイデア次第で反響は劇的に変わる。それを同園のスタッフたちは、地道な取り組みで証明してきた。

その代表例が「流しそうめん」ならぬ「流しカワウソ」や、週に1回園内をアルパカが駆け抜ける「アルパカダッシュ」といったコミカルなヒット企画だ。これらはSNSでも大きな話題を呼び、園の発信力を支える下地となった。

地域とともにまた来たい動植物園に
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