扉を開けると、そこには下着姿の美少女の群れが待ち構えていた。恐る恐る肌に触れてみると、赤ちゃんのような滑らかさ。毛穴、肌のキメ、うっすらと走る血管、全てがリアルだ。

これがシリコンで作られたセックストイ(性具)、いわゆるラブドールなのだから驚くしかない。今どきのラブドールは人間そっくりだとは聞いていたが、実物は写真以上だ。

5月末、東京で開催された「エデンジャパン・アダルトエキスポ」を取材した。日本初の業者向けアダルトグッズ国際展示会である。

事前チェックで事業者のみが参加できる形式となっており、見物目的の客はお断り。厳しいチェックをクリアして中に入ると、出迎えたのが中国のラブドールブランド「アイアンテック・ドール」のブースに並ぶなまめかしい下着姿の人形たちだった(下の写真)。

アイアンテック・ドール社のラブドール。肌のキメなど細部のリアルさに驚愕する

アイアンテック・ドールのラブドール。肌のキメなど細部のリアルさに驚愕する TORU HANAI FOR NEWSWEEK JAPAN

中国は厳格なポルノ規制で知られるが、実は世界一のアダルトグッズ大国だ。なんと世界で流通するアダルトグッズの7割が中国製、さらにその9割が広東省で生産され、特に工場が集中する東莞市は「アダルトグッズ製造の都」と呼ばれる。

展示会にも広東省のメーカーが多数出展しており、私は中国製造業の一端を垣間見ようと足を運んだのだった。

「肌には特にこだわった」と、アイアンテック・ドール(Irontech Doll)の創業者、劉文強(リウ・ウエンチアン)CEOは胸を張った。

東アジア向けの「オリエンタル」シリーズでは新素材、新メークを投入し、20歳前後のアジア人女性特有のコラーゲン豊かな肌を再現したという。さらに、日本のデザイナーと協力して日本人好みの顔やメークを追求したほか、体形も日本市場向けにした。

オリエント工業の市場構造を崩した中国企業
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