ロシアの高性能ミサイルによる攻撃に苦戦するウクライナと、自国の防衛に危機感を強めるヨーロッパ各国は、新たな欧州製ミサイル防衛システムの試作機を1年以内に完成させることを目指していると、ウクライナ政府の高官が明らかにした。

欧州製の弾道ミサイル迎撃システム「Freyja(フレイヤ)」の試作機は、2027年前半までに完成する見通しだと、プロジェクトを統括するウクライナ政府高官ダビド・アロイアンはロイター通信に語った。

ロシアは、迎撃困難な弾道ミサイルを含む空爆を激化させており、ウクライナは高度な防空システムと迎撃ミサイルを切実に必要としている。

しかし、防空システムの「決定版」とされ、ロシアの弾道ミサイルを撃墜したことが確認されている唯一の地上配備型システムであるアメリカ製パトリオットは、世界的に需要が高まっているため、調達は容易ではない。パトリオットの迎撃ミサイルの在庫も、ウクライナへの供与やイランとの軍事衝突への対応で大きく消耗している。

ウクライナは軍事装備の生産大国に成長したものの、弾道ミサイル攻撃を迎撃できるシステムを自国で開発した実績はない。ヨーロッパの代表的な防空システムである短距離防空システム「IRIS-T」や中距離防空システム「SAMP/T」も、弾道ミサイル迎撃能力は実戦で実証されていない。

ウクライナは防衛分野での共同開発や共同事業を模索するとともに、ヨーロッパやNATOとの結び付きをさらに強めたい考えだ。一方で、ヨーロッパ各国も、ロシアに対する備えを強化するため、ウクライナが持つ実戦経験や技術力を積極的に取り込もうとしている。

欧州はシステム、ウクライナはミサイルを供給
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