生成AIの急速な普及により「AIに仕事を奪われる」という懸念が現実のものとなって広がっています。それは、単純に仕事がなくなるということではなく、求められる業務の内容、あるいは企業が求める人材が変わることを意味しています。

AIを含む技術革新や人口動態などによる労働市場の変化について、世界経済フォーラム(WEF)では、2030年までに9200万の雇用が失われる一方、「1億7000万の新たな雇用が創出される見込み」と予測。差し引きすれば7800万人の雇用増になるというのです。

求人減でも売上増のリクルートHD

AIによる労働市場の変化は、「求人が減れば強い逆風になる」と考えられていた人材会社のビジネスも変えつつあります。求人サイト「Indeed」などを展開するリクルートホールディングス<6098>は、直近の決算で大幅な増収増益を発表しました。

今期(2027年3月期)第1四半期は、売上収益が前年同期比18.9%増(1兆453億円)、営業利益が66.1%増(2554億円)。通期の営業利益予想も7870億円から9450億円に上方修正され、まさにポジティブサプライズと言っていい好決算でした。

この好調を牽引したのが、「Indeed」を含むHRテクノロジー事業です。その7割を占めるアメリカでは、求人数は前年同期比で約4%減少したものの、売上収益は30%増という大幅伸長となりました。求人1件あたりの平均売上収益(US ARPJ)も35%増えています。

増収を支えたのは単価の上昇だけではありません。リクルートHDは、AIによる価値提供の拡大に伴う「単価の上昇」と、サービスを利用する「顧客数の増加」の2つが成長を牽引した、と説明しています。求人市場そのものは弱くとも、顧客と顧客あたりの収益機会は増えているのです。

■もはや求人サイトではない「Indeed」

「Indeed」自体も、単に求人情報を掲載するサービスから、AIを使って企業の採用活動そのものを効率化するサービスへと進化しつつあります。

たとえば、AIを活用して条件に合う候補者を探したり、応募者を選別したりする機能を提供しています。これに対して大企業では、1つの求人でサービス内容を確かめ、その効果を確認して別の求人にも利用を広げるケースも出ています。

「隠れAI株」としてのリクルートHDの魅力
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