コラム

ロシア、日本領事「拘束」事件...海外で活動する日本人スパイは本当にいるのか?

2022年09月27日(火)19時21分

日本におけるCIAなどのカウンターパートとしては、内閣情報調査室があるが、この組織は対外情報機関ではない。あくまで国内にいながら、国内情勢を中心に、海外情報も扱っているだけである。メンバーも多くが警察や防衛省、外務省などからの出向者で構成される。よって、上に挙げたような外国のスパイ組織とはまったく違う。

では過去に、中国にスパイとして拘束されたような人たちは一体何者なのか。多くは素性を明らかにされていないが、例えば、1998年に中国でスパイ容疑によって有罪になり、2020年に刑期を終えて日本に帰国した人物については、少し素性が明らかにされている。筆者の取材でも、この人物がビジネスマンとして中国に入り公安調査庁と繋がりがあったことがわかり、さらに帰国後は同庁の関係者らが丁重に保護しているという。

日本にはスパイ防止法も、対外スパイ活動などのきちんとした規定がない。先進国にはあるそうした法律がないために、この帰国した人物のケースのように外部の協力者に大変なリスクを背負わせることになってしまっている事実がある。

このスパイの問題や中国から帰国した「日本人スパイ」について、「スパイチャンネル~山田敏弘」ではさらに詳しく解説しているので、ぜひそちらをご覧いただきたい。

プロフィール

山田敏弘

国際情勢アナリスト、国際ジャーナリスト、日本大学客員研究員。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版、MIT(マサチューセッツ工科大学)フルブライトフェローを経てフリーに。クーリエ・ジャポンITメディア・ビジネスオンライン、ニューズウィーク日本版、Forbes JAPANなどのサイトでコラム連載中。著書に『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』、『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』、『CIAスパイ養成官』、『サイバー戦争の今』、『世界のスパイから喰いモノにされる日本』、『死体格差 異状死17万人の衝撃』。最新刊は『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』。
twitter.com/yamadajour
YouTube「スパイチャンネル」
筆者の過去記事一覧はこちら

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