コメ価格高騰で放映される連続ドラマ『進次郎の備蓄米』にうんざり
「月を指せば指を認む」という仏教の言葉がある。道理を説かれても文字や言葉にばかりとらわれて本質を見ないという意味で、今の状況がまさにそれだ。悪化する一方のコメ生産の課題を農家や専門家がいくら説明しても、マスコミ、特にテレビ局は日々の備蓄米の動きしか見ていない。
次のステップは予想できる。備蓄米がなくなってアメリカからコメを輸入し、それを政府が買って備蓄米にする。既に低すぎる日本の食料の自給率がさらに下がる。
国民に必要な食べ物が不足していては、たとえ防衛予算を倍増しても、国や国民の命を守ることはできないのに。
西村カリン
KARYN NISHIMURA
1970年フランス生まれ。パリ第8大学で学び、ラジオ局などを経て1997年に来日。AFP通信東京特派員となり、現在はフリージャーナリストとして活動。著書に『フランス人記者、日本の学校に驚く』など。Twitter:@karyn_nishi

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