コラム

参政党の「日本人ファースト」は日本第一党の「日本第一主義」と同じに思える

2025年07月18日(金)17時55分
周来友(しゅう・らいゆう)(経営者、ジャーナリスト)
「日本人ファースト」を連呼し、参院選で台風の目になった参政党

「日本人ファースト」を連呼し、参院選で台風の目になった参政党 DAMON COULTER-SOPA IMAGES-SIPA USA-REUTERS

<「外国人排斥」が叫ばれている今年の参院選。しかし私は、日本人が排外主義に大きく傾くことはないと信じている>

参議院選挙の台風の目になった参政党が連呼する「日本人ファースト」。減税か現金給付かという物価高対策と並び、「外国人問題」が大きな争点となっている。

外国人は優遇されている、犯罪者が多い、土地を買い占めている、医療費を不正受給している......。根拠のない主張を含む排外主義的発言が飛び交い、危機感を抱いたNGOが声明を出したり、メディアがファクトチェックを行ったりしている。

なぜ今、外国人排斥がこれほど叫ばれているのか。

「日本人ファースト」の源流!? 3年前に日本第一党の桜井誠党首(当時)と対談したときの動画を見る

3年前の参院選の際、私は自分のYouTube番組で「ミニ政党」の代表者らを積極的に取材していた。その1人が、日本第一党の桜井誠党首(当時)だ。

かつて盛んに嫌韓デモを行っていた団体「在日特権を許さない市民の会」の設立者である。その桜井氏が立ち上げた日本第一党も、「日本第一主義」を掲げ、移民排斥や帰化基準の厳格化を訴えていた。

当時の日本第一党は泡沫政党にすぎず、党勢が衰えたのか今年の参院選には参加していない。だが、その「日本第一主義」から名前を変えただけに見える「日本人ファースト」が、今や多くの人の共感を集めている。そしてそれに呼応するかのように、外国人を敵視する候補者も増えた。

私が今年、参政党以外で注目していたのは平野雨龍氏、吉永アイ氏という女性無所属候補(いずれも東京都)だ。

プロフィール

外国人リレーコラム

・石野シャハラン(異文化コミュニケーションアドバイザー)
・西村カリン(ジャーナリスト)
・周 来友(ジャーナリスト・タレント)
・李 娜兀(国際交流コーディネーター・通訳)
・トニー・ラズロ(ジャーナリスト)
・ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使)

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

モデルナ、日本でのmRNA工場建設中止 「ビジネス

ビジネス

トランプ氏、パウエルFRB議長非難で理事会も批判 

ワールド

対ロ和平交渉に「さらなる勢い」必要=ゼレンスキー氏

ビジネス

中国、25年レアアース生産枠を公式発表なく各社に通
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 4
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 5
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 6
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 10
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story