コラム

「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない、コメ不足の本当の原因とは?

2025年03月05日(水)18時31分
買い占めより深刻なコメ不足の本当の原因

AKIO MIKI JP/SHUTTERSTOCK

<コメ価格が高騰していることについて政府は「集荷量が昨年を下回り、その分が流通市場から消えたことが原因」と説明したが、このロジックは最初から破綻している>

コメの価格が高騰していることを受けて、政府は備蓄米の放出を決定した。だがコメの絶対量が不足しているという問題は解消されない可能性が高く、大幅な価格引き下げにはつながらないだろう。

これまでコメは安く推移してきたが、昨年、価格が急上昇。一時はスーパーの棚からコメが消え「令和の米騒動」などと呼ばれた。政府は「新米が出てくれば価格は落ち着く」と説明し、メディアも政府の見解をそのまま垂れ流していたが、筆者を含む一部の専門家は、新米が市場に出ても価格は下がらないと指摘してきた。


実際、新米が出た後も価格は上昇を続けており、従来の説明が破綻した政府は、今度は「集荷量が昨年を下回っており、その分が流通市場から消えたことが原因である」との説明に切り替えた。よく考えれば分かることだが、このロジックも最初から破綻している。

2024年におけるコメの生産量は679万トンで、集荷業者が集めたコメの集荷量は昨年より21万トン減っている。だが集荷量というのはあくまで農協を中心とする集荷業者が確保した量にすぎず、農家が集荷業者を通さずに出荷したコメはカウントされない。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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