6月下旬、ヨーロッパ各地は、ヒートドーム現象(上空の強力な高気圧が熱気や湿気を閉じ込め、異常な高温をもたらす)による記録的な熱波に見舞われた。気温が35℃~40℃以上に達しただけでなく、ヨーロッパ特有のカラっとした暑さではなく、日本のような蒸し暑さとなり、多くの人にとって耐え難いものとなった。

7月中旬の時点で南欧以外の地域では気温はやや下がっているものの、長期予報は不確実で、再び熱波が襲う可能性もあるという。

我が家史上初の扇風機登場

6月後半、ロンドンに住む知人から「信じられないほど暑い」というメッセージが届いたが、中欧のスイスでも並外れた暑さだった。チューリヒでは、6月前半は最高気温が27℃の日がわずか数日だったのに対し、後半は連日30℃を超えた。

外出は最小限に抑えていたが、37℃越えの日──この夏一番の暑い日──の日中に出かけたところ、屋外にいる間は日本にいるような気分だった。また、その前日は取材先でお土産にいただいた山盛りのチョコレートが帰路の間に溶けてしまうほどだった。

オフィスや商店、公共交通機関はエアコンが効いているが、問題は家庭での冷房だ。ヨーロッパ全体では家庭のエアコン普及率は約20%で、南欧では40~80%と高い(出典=Carbon Brief)。また普及率が低いフランスでは地域差があり、南部の地中海地域では60%と高い。

スイスでは、エアコンがある世帯は5~10%と推定されている。それというのも人口の約60%が賃貸物件(主に集合住宅)に住んでおり、エアコンは標準装備ではないからだ。建築上、設置が難しいともいわれ、設置できても家主への申請に費用や時間がかかる場合が多い。

かつては夜間や早朝に窓を開けて冷気を取り込み、日中は窓のシャッターも閉め切って涼しさを保つ「換気」が効果的だったが、近年の猛暑では「とにかく暑すぎる!」と、扇風機やスポットクーラーなどの工事不要の冷房を購入する人が増えている。

エアコンのない我が家でも、暑がりの夫がついに扇風機を初めて購入した。国内最大のオンラインショップ、ギャラクサスでは、6月の猛暑後にほとんどのモデルが売り切れ、新規の大量入荷は夏が終わってからになるという。

仏では扇風機セールに人が殺到 エアコン設置は秋まで保留
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