イランの通貨リアルが暴落している。8月には1ドル=200万リアルを突破し、過去最安値を更新。イラン戦争終結やイラン政府の譲歩を実現するため、トランプ米大統領が宣言した「経済版Dデー」作戦の舞台が整った。

米政権が目指しているのは、これまでと同じく、イランの核兵器開発阻止やホルムズ海峡を航行する商船の保護だ。目標達成の手段として、ベッセント米財務長官は8月24日、イランとの取引を継続する国家や企業を対象に「史上最強の制裁」を発表した。

イランにとっては、経済にさらなる圧力が加わった形だ。IMFの予測では、同国の今年のインフレ率は68.9%で、成長率はマイナス5.4%。生活必需品などの物価は、制裁や外貨不足を反映した非公式の為替レートに左右されるため、イラン国民への打撃はとりわけ深刻だ。

経済的苦境は従来、反政府デモの引き金になってきた。だが、外交面での譲歩に直結するとは限らない。トランプの戦略の試金石になるのは、イランにとって頼みの綱である中国の動きだ。イランの輸出が通貨と同じく低迷したとき、米政権はようやく成功を宣言できるだろう。
 

リアルは対ドルで最安値:24年1月以降、リアルはドルに対して下落の一方。アメリカとの戦争が続くなか、インフレ率は再び急上昇している
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