ドイツには日本と同じく、世界に誇る最高水準の自動車産業がある。その自動車メーカーは長年、中国への巨額投資で利益を上げてきたが、今や足元がぐらついている。

中国の自動車メーカー各社は、自国経済の減速や過剰生産、国内販売の急減を背景に熾烈な値下げ競争を繰り広げ、経営破綻に陥る企業も出ている。中国の高級車市場を牽引してきたドイツのメーカーも、世界全体での収益がかつてないほど低下している。

日本の自動車メーカーの間では、中国事業からの撤退や規模縮小の動きが広がった。アメリカではトランプ大統領の要請を受け、フォードとゼネラル・モーターズ(GM)も一部車種の生産拠点の切り替えを進めている。ところが、ドイツのメーカーはこの流れに逆行し、中国市場で徹底したローカライズを追求している。

筆頭はメルセデス・ベンツだ。現地の消費者の好みに合わせるだけではなく、デザインや技術、コスト削減の考え方に至るまで、中国の自動車産業の発想を取り込み、同社の命運を支える柱としてきた。

だが、中国のネット掲示板には不満の声が上がる。「中国車との差がなくなってきているのに、なぜ価格は依然としてドイツ車並みなのか」

ブランドの価値が損なわれる危険信号であるにもかかわらず、メルセデスは通常5〜7年の開発サイクルを「中国スピード」に合わせる判断を下した。中国の自動車メーカーは、新型車の開発期間を2年程度に圧縮している。

メルセデスは、最上位車種が「中国風」に染まらないように努めているが、ブランド全体が世界規模で「中国化」すれば、本末転倒だ。

日本で実績を築き、ヨーロッパ進出につなげる
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