北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が脳出血で死亡した、あるいは昏睡状態に陥ったとの根拠のない情報がインターネット上で拡散するなか、北朝鮮の国営メディアが金正恩の写真を公開した。

朝鮮中央通信(KCNA)と朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」が10月20日に公開した写真には、金正恩が19日に平壌で衣料品・履物の展示会を視察したとみられる様子が写っている。

写真には、42歳の金正恩が13歳の娘、金主愛(キム・ジュエ)や複数の当局者とともに展示品を見て回る姿が収められている。

これに先立ち、アメリカ在住の中国人反体制活動家がSNS上で、金正恩が重度の脳出血を起こして北京の病院に搬送され、その後死亡したと主張していた。

この情報は、裏付けとなる証拠がないにもかかわらず、SNS上で拡散し、海外のタブロイド紙などにも取り上げられた。

今回の写真は、北朝鮮当局が金正恩は引き続き公務を遂行しているとアピールしようとしていることがうかがえる。ただし、視察が実際に行われたかどうかは、独立した情報源によって確認されていない。

10月19日に娘と平壌で衣料品・履物の展示会を視察したとされる金正恩(国営メディア)

米シンクタンク、スティムソン・センターの朝鮮半島プログラムで上級研究員を務めるレイチェル・ミニョン・リーは、本誌にこう語った。「現時点で、死亡の噂は伝聞の域を出ず、裏付けもない。噂の発信源とされる謝万軍(シエ・ワンジュン)は、過去に習近平の死亡説も流したことがある人物だと認識している」

一連の情報の発信源は、中国で非合法とされる政治団体「中国民主党」の主席を名乗る謝万軍とされている。

死亡説はどこから広まったのか
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