8月19日、イラン中央銀行のアブドルナーセル・ヘンマティー総裁は、アメリカによる海上封鎖でイランの原油輸出が事実上、停止していると述べた。イランの産業界が利用できる外貨も1年前に比べて30%減ったという。

イランの経済状況は、ドナルド・トランプ米大統領が第1次政権で「最大限の圧力」をかける政策を取った2018~20年よりもさらに厳しくなっていると、ヘンマティーは率直に認めた。

同じ日、トランプはイランに対して「前例のない規模の経済戦争と孤立」になる新たな経済制裁を発表すると表明。イランに「いかなる種類の生命線」であれ提供する国は、「甚大な経済的代償」を払うことになると警告した。

その数時間後、スコット・ベッセント米財務長官は「史上最も厳しい制裁措置」を科すと宣言し、24日に追加の経済制裁を発表した。経済的圧力を強めれば、新たな大規模軍事行動は必要なくなる可能性があるとも述べた。

アメリカは爆撃を続ける代わりに、経済戦争と海上封鎖によってイランを屈服させようとしているようだ。アメリカにとっては、自国軍へのリスクを抑え、弾薬備蓄の負担も軽減できる。

一方、イランにはこのコストの差が重くのしかかる。そのためイランの政界や軍部からは、より攻撃的な軍事戦略に転換すべき時だという声が上がる。現状を変え、海上封鎖を続けるアメリカに甚大な代償を払わせるというのだ。

イランは長年、イスラエルやアメリカから圧力を受けても、「戦略的忍耐」と呼ばれる方針を取ってきた。直接攻撃されれば反撃するものの、その規模は抑える。イスラム共和国の存続を脅かしかねない大規模な戦争を避けながら、相手に代償を強いることが狙いだった。

抑制的な報復に限界が
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