「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害」でも健康長寿な「100歳超えの人々」の秘密

congerdesign-pixabay
<たっぷり寝ている人だけが長生きするとは限らない。時計遺伝子とは? 最新研究が示す「眠りの真実」について>
長寿遺伝子発見者による、最新研究と衝撃の提言書『SuperAgers スーパーエイジャー 老化は治療できる』(CEメディアハウス)の第8章「時計を止める」より一部編集・抜粋。
重要なのは寿命(ライフスパン)ではなく、健康寿命(ヘルススパン)...。
睡眠については?
睡眠は、食事や運動とともに健康の3つの秘訣とされることが多い。だから、十分な睡眠と長寿に関係が見られるだろうと期待したが、わたしたちの研究では見られなかった。
被験者のセンテナリアン[百寿者/100歳以上の人]のなかには、夜に平均8時間寝て昼寝をする人もいる。かなりの睡眠時間なので、それが長生きの秘訣かもしれないと思ったが、やがて、昼寝するのは夜によく眠れないからだとわかった。
するとイスラエルからの客員教授ラヴィ・クラインが、わたしたちの睡眠データを分析し、別の興味深いことを発見した。
被験者のセンテナリアンは、睡眠障害に関係する病気を防ぐ長寿遺伝子を持っているらしい。つまり、よく眠っても眠らなくても、そういう病気にはかからないのである。
センテナリアンの子や対照群のなかでは、かなり多くの人が定期的に睡眠障害を起こしている。そして対照群の多くには糖尿病、心臓血管疾患など、睡眠不足に関係する病気があるが、センテナリアンの子にはない。
つまり、長寿遺伝子は睡眠障害そのものを防ぐわけではないが、最悪の影響を防ぐのである。
でも長寿遺伝子を持っていないふつうの人は、できるだけよく眠って、睡眠障害や睡眠不足から発生する病気を防ぐべきだ。