トイレにも同行...G7で記者を厳しく監視するのは何のため?
SOICHIRO KORIYAMA–BLOOMBERG/GETTY IMAGES
<4月に起きた岸田首相への襲撃でピリピリしているのはわかる。しかし、G7諸国に要人警備の万全性を示したいのであれば、その対象は記者ではない>
今年は日本がG7の議長国で、G7サミット(首脳会議)が5月19~21日に広島で行われる。サミットの前にいくつかのG7関係閣僚会合が地方であり、私もラジオ・フランスの特派員として一部取材した。
重要な国際イベントを取材したことは何度もあるが、4月15~16日に札幌で開催された気候・エネルギー・環境大臣会合を取材して驚いたことがある。警備体制だ。
会合前の手続きはいつもと変わらず、記者であることを証明する身分証明書や会社からの手紙などを提出しないといけない。
厳しいチェックがあるのは当然で、それはどの国でも同じだ。記者証をもらったら、現場に設置されたメディアセンターの出入りが可能で、そこで記事を書いたりラジオのための編集を行うことができる。Wi-Fiや電源など必要な設備は整っていて、その面では全く問題なかった。
ただ困ったことがあった。警備上の理由で、メディアセンターが大臣会合の会場と同じ所になかったのだ。歩いて5分と大した距離ではないが、記者はなるべくグループで移動し、必ず官僚が同行することになっていた。
皆が同時に記者会見に出席するため移動するなら構わないが、それぞれがバラバラの時間帯に独自のインタビューもあったので、非常に不便だった。
また、建物の入り口で荷物チェックがあるにもかかわらず、会場内で自由にインタビューの場所や記者会見場に行くことは認められなかった。トイレにも「警備上の理由」から官僚が同行した。
記者たちはまるで、テロを起こすリスクのある人物のように扱われた。記者の待機場所もあったが、その狭い部屋には机や電源、Wi-Fiもなく、ちゃんと仕事ができるような環境ではなかった。
音響が悪かったので、部屋の入り口まで移動したらすぐに官僚3人が来て、「どこに行くつもりですか」と聞いてきた。
音響がいい所でナレーションを録音したいと言ったら「想定外」の要求だったようで、彼らはパニックに陥ったようだ。どうしたらいいだろう、という不安が顔や態度に表れていた。結局、時間もないのでその入り口の所で3人を前にして録音した。
この体制は警備のためというより、むしろ会合に参加したG7各国の大臣に同行する人たちに記者が声をかけないように、取材をしないように、記者を監視することが目的ではないかと思うほどだった。
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