最新記事

会話術

「話すことが苦手だった」メンタリストDaiGoの人生を変えた話し方の科学

2021年5月13日(木)18時25分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

DaiGobook20210513-2.jpg

Chinnapong-iStock.

DaiGoが編み出した「独自の会話術」ではない

話し方や会話術は人類普遍のテーマであるらしく、古今東西、数多くの研究がなされてきた。

そこで明らかにされている内容は、何千、何万という人を集めて行った実験に基づいたものだ。つまり、話術に長けた特定の誰かの独特のスキルでもなければ、飛び抜けたプレゼン力を持つカリスマ起業家に学ぶわけでもない。

だからこそ、誰もが身につけることができるスキルなのであり、DaiGo氏が言うように、「誰が真似しても一定の成果が出せる再現性」をも備えている。

科学に基づいているということは、よりよい話し方を学んで身につけようとする人にとって大きなメリットなのだ。


土台となる人柄はそのままに、スキルを上乗せしていきましょう。
 ゆったりとした語り口も、時々噛んでしまう不器用さも、人前に出ると緊張してしまう性格も、私のように好きなジャンルの話はつい早口になってしまうクセも、スキルと組み合わせれば独特の魅力となります。(6ページ)

したがって本書の内容も、世間の圧倒的な支持を集めるDaiGo氏が編み出した「独自の会話術」を披露する、というようなものではない。

また、会話の隙間を埋めるネタの探し方や、その場を切り抜けるテクニックといったものを伝授する本でもない。

それよりも、今のDaiGo氏を作り上げた土台とも言える「科学的話し方」について、そのスキルを一から分かりやすく共有することに重きが置かれている。

そのため、読んだ人はDaiGo氏と同じように実践でき、DaiGo氏のような「超トーク力」を身につけられる、というわけだ。

カナダの研究から分かった「雑談のメリット」

コンプレックスを克服すべく話し方の科学を学び始めたDaiGo氏は、多くの研究に目を通すうちに、あることに気が付いた。それは、どんな会話にも一定のルールがあるということだった。

オフィシャルな場での日常会話や、商談、プレゼン、会議、あるいはプライベートでの世間話や雑談、込み入った相談事など、どんな会話にも「原理原則」がある。それを知れば、自分の話を理解してもらえるだけでなく、場を盛り上げたり、相手との関係を深めたりすることも可能になるという。

本書には、その「原理原則」が数多く紹介されている。どれもDaiGo氏自身が学んで実践し、身につけてきたものばかりだ。

例えば、DaiGo氏は以前、雑談について「雑な話だったら、しないでくれる?」「間を埋めるような会話をする必要ってあります?」と取材で答えたことがあるそうだ。だが、ある研究を知って、その認識を改めさせられたという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米雇用4月17.7万人増、失業率横ばい4.2% 労

ワールド

カナダ首相、トランプ氏と6日に初対面 「困難だが建

ビジネス

デギンドスECB副総裁、利下げ継続に楽観的

ワールド

OPECプラス8カ国が3日会合、前倒しで開催 6月
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 2
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 3
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 4
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 5
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 6
    宇宙からしか見えない日食、NASAの観測衛星が撮影に…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    金を爆買いする中国のアメリカ離れ
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中