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『ナタ2』が大ヒット中だが、中国アニメ映画に世界市場は不要?
©2025 REBEL PEPPER/WANG LIMING FOR NEWSWEEK JAPAN
<春節休暇中に中国アニメ映画『ナタ2』が大ヒット。アニメーション技術もストーリーももはや「パクリ」ではない、中国人が誇りに思える作品だが、観ているのは中国人がほとんどだ>
今年の春節期間中、中国国産アニメ映画『ナタ~魔童大暴れ』の興行収入が、公開から2週間余りで100億元(2100億円)を突破した。過去最速の大ヒットだ。
この映画は、中国で2019年に公開された『ナタ~魔童降臨』の続編。ナタの漢字は「哪吒」。インド神話の登場人物をモチーフにしたこの暴れん坊は、世を混乱させる魔王となる宿命を背負って生まれ、孫悟空のように大暴れしつつ、さまざまな苦難を経験する。しかし、それを自分の運命だと諦めず、最後まで戦い抜く......というストーリーだ。
総計4000人が5年かけて作った人海戦術の大作で、アニメーションの出来も素晴らしい。監督は1980年生まれの餃子(本名・楊宇[ヤン・ユィ])。子供の頃からのアニメファンで、宮﨑駿、押井守、大友克洋といった日本人監督の全作品を見ている。確かに彼の映画の中には『ドラゴンボール』や『千と千尋の神隠し』など、日本アニメの痕跡が残っている。
しかし、ただの日本アニメの「盗版(海賊版)」ではない。差別、偏見や運命の不平等との戦いがテーマとしてしっかり織り込まれており、それが見た人たちの共感を呼んでいる。
餃子は改革開放という最もいい時代に成長した。日本や欧米の科学技術だけでなく、ライフスタイルや娯楽文化も素直に受け入れた世代だ。こうした先進国由来の科学技術や制作手法があってこそ、中国人が誇りに思えるこの国産アニメは誕生した。
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